クリプトスポリジウム、ジアルジア
クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、ジアルジア(Giardia)
Cryptosporidium Tyzzer 出典:wikipedia |
クリプトスポリジウムは、学名ではCryptosporidium Tyzzerと呼ばれる原虫であり、ヒトを含む脊椎動物の消化管などに寄生します。 環境中ではオーシスト (oocyst) となり耐環境性を有しています。大きさは3μmから8μm程度までと種によって異なりますが、厚い殻で覆われた類円形・楕円形をしています。 クリプトスポリジウム症を引き起こし、致死的になる場合もあり、クリプトスポリジウム・パルバム(遺伝子型1または2)は病原性原虫としては唯一、感染症法により特定病原体等(四種病原体)に指定されています。 ジアルジアは、学名ではGiardia lambliaと呼ばれ、通称ランブル鞭毛虫を原因とするジアルジア症を引き起こします。 クリプトスポリジウムと同様、哺乳動物の腸に寄生する原虫であり、大きさは長径8~12μm、短径5~8μmの楕円形状です。 本原虫の分布域は、世界に広く生息し、特に熱帯、亜熱帯地域において、水系感染胃腸炎としての発生事例が多くあります。 |
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Giardia lamblia 出典: Wikipedia |
症状
クリプトスポリジウムに感染すると、2~5日後に下痢(水溶性の激しいものから泥状便まで様々)、腹痛、嘔吐、軽い発熱などの症状を示します。免疫機能が正常なヒトは、通常約1週間程度で(長い場合は2週間ほど続く場合もあり)自然治癒します。
幼児や免疫機能が極度に低下しているエイズ患者や癌、白血病患者は、重症化し激しい下痢のため、脱水により死亡する例もあります。
ジアルジアに感染すると、6~15日後に下痢(水様性の激しいものから泥状便まで様々)、腹痛などの症状を示し、健康人が感染した場合、約2~4週間と長く症状が続くが致命的な結果になることはありません。
医療機関で診断を受ければ、治療薬が知られていることから免疫不全患者においても深刻な症状に発展することはありません。
指標菌
環境水中の大腸菌および嫌気性芽胞菌は、糞便による汚染の指標として有効です。
糞便により汚染された水源の水は、クリプトスポリジウム・ジアルジアの混入のおそれがあるため、本原虫検索のスクリーニング検査として、環境水中の指標菌検査の実施は必須といえます。
感染の予防
通常の水道水は、細菌やウィルス等の微生物を死滅させて飲料水とするため塩素消毒を行っています。
塩素抵抗性のクリプトスポリジウム、ジアルジアは、大腸菌の約69万倍の塩素に耐性があるといわれ、通常の塩素濃度による消毒では死滅しません。
ただし、乾燥(1~4日)、凍結(-20℃、30分)、熱(73℃、1分)には弱いことから、万一、原虫に汚染された可能性のある水を飲用する場合は煮沸すれば安全です。
検査について
採水量
採水容器を共洗いし、原水(水道水の原材料になる水)は20L、浄水(直接飲むことができるような汚れのないきれいな水。また衛生上無害にした水)は40Lを採水して検査します。
検査法
試料は、まずメンブレンフィルター加圧ろ過-アセトン溶解法により捕捉・濃縮します。次に、密度勾配遠沈法を用いてオーシストを分離・精製します。
精製後、直接蛍光抗体染色法で染色し蛍光顕微鏡および微分干渉顕微鏡を用いて鏡検により判定します。
参考リンク
平成19年3月30日健水発第0330006号厚生労働省健康水道課長通知「水道における指標菌及びクリプトスポリジウム等の検査方法について」




