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ノロウィルスについて

 

図7  

ノロウィルスによる食中毒は1年を通して発生し、細菌による食中毒の少ない秋~冬にかけて多発します。ウィルスは自己増殖能を持たないので、食品、環境中では増殖できず、ノロウィルスは人だけに感染して病気を引き起こします。

また感染力が非常に強く、ノロウィルスは10~100個程度で感染・発病させることがあります。

ノロウィルスは、小型の球形を持ったウィルスで、大きさは約38nm(1nmは1/100万mm)で、電子顕微鏡でしか見ることができません。

感染経路

① ノロウィルスに感染されたカキや二枚貝を生あるいは十分に加熱しないで食べた場合。

② 食品取扱者などの手が汚染されていて、これにより汚染された食品を食べた場合。

③ 食べ物を介さずに人から人へ直接感染する場合。

これは介護に携わる人が糞便や吐物から二次汚染した場合また、汚染した人が使用したタオルやドアノブなどから感染が広がる場合で、密集した集団生活の場、保育園、幼稚園、学校などで集団発生しやすい。

 

症状

24~48時間の潜伏期間を経て発症し、主な症状は下痢、嘔吐、吐き気、腹痛で、ときに発熱、頭痛、筋肉痛を伴うこともあります。その症状も1~3日で治まり、後遺症も残りません。

また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。まれに、1日20回に及ぶ激しい下痢を起こすこともあります。このような場合は、入院、点滴などの処置が必要になります。

下痢、嘔吐は乳幼児や高齢者には大きな負担となるので、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養補給を十分に行い、ひどい場合には、病院で適切な処置を受ける必要があります。

下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

 

予防

ノロウィルスに効果のある抗ウィルス剤はありません。そのため、予防に努めるしか手がありません。

●手洗い

食品取扱者はつめを短く切って、指輪・時計をはずし、ブラシなどを使用して、ひじから順に石鹸でもみ洗いします。すすぎは流水で十分行います。石鹸自体にはノロウィルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウィルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

 

●加熱処理

ノロウィルスは熱に弱い特徴を持っているので、できれば貝類等の生食を避け、食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱をする必要があります。

 

●調理器具等の消毒

ノロウィルスの失活化には、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がなく、次亜塩素酸ナトリウム、加熱が効果的です。調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で消毒または、熱湯(85℃以上)で1分間以上の加熱をすることが有効です。

 

●糞便や吐物の処理

糞便や吐物中には大量のウィルスが存在し感染源となりうるので、十分注意して直ちに処理しないと感染が拡大します。処理するときには、使い捨てのマスクと手袋を着用し汚物中のウィルスが飛び散らないように、糞便や吐物をペーパータオル等で静かに拭き取ります。

拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭き取ります。拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋にできれば十分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1000ppm)を入れて密閉して廃棄します。

 

常日頃から予防に努め、下痢や嘔吐等の症状がある方は直接食品を取り扱う作業を行わないようにし、医師に相談しましょう。