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厨房の衛生点検「温度管理と区分保管」

 

私共はレストラン、ホテル等の厨房、食品工場への立ち入り、衛生診断サービスを業務の一つとして行っております。

 

今回は、厨房施設の温度管理と区分保管についてご紹介させて頂きます。

 

温度管理

まず、温度管理といえば冷蔵庫、冷凍庫(アイスストッカーも含む)です。

立入り検査時に「冷蔵庫、冷凍庫の温度管理はどうしていますか?」とお聞きしますが、「ちゃんとやっています」という答えが返ってきます。

「では記録表を見せてください」と言うと、「いや、記録はとっていません。でも毎日温度計を見て確認しています。」

これも確かに温度管理をしていることになるかもしれませんが、もし、事故が起こり、「何日の温度は?」と聞かれてもその証拠となる記録が無ければ、証明することができません。

温度を確認し、記録表に残すというのは、自分の店や工場が温度管理を徹底していることの証明になるのです。

1日3回以上、確認する時間を決め、冷蔵庫、冷凍庫の温度表示を確認し、記録を残していただく必要があります。

しかし、毎日、決められた時間に温度を確認し、記録を残すことは非常に手間がかかることかも知れませんが、自分の厨房、工場等の温度管理の証明となると考えれば徹底できるのではないでしょうか。

 

また、厨房施設等の室温も同じように記録を残することが必要です。

大量調理施設衛生管理マニュアルには、「作業場の室温管理温度が25℃以下であることが望ましい」とされています。

レストラン等の厨房では、特に夏場では25℃以下で保つことは非常に困難であるとは思いますが、自分たちの作業環境を確認する上でも温度記録を残し、特に調理済食品を常温放置しないよう心掛けてください。

温度記録表

温度記録表が作成されていない、或いはどのような記録表を作ればいいのか?という方のために、記録表書式の一例として下の表を掲載させていただきます。 ご参考になれば幸いです。

 

 

区分保管

 

本来、食品は魚介類、肉類、野菜類、調理済食品等の専用の冷蔵庫内で保管することが基本と なります。

しかし、冷蔵庫、冷凍庫の数や容量により、全てを区分して保管することは 困難な厨房施設が多いと思います。

そこで、同じ冷蔵庫内に混在して保管する場合は、棚を分けて区分して保管してください。

例えば、上の写真のように野菜の原体、洗浄後カット済みの野菜、肉類、 魚介類が同じ棚で、近接して混在して保管されていると、相互汚染を起こす危険性が高まります。

 

肉類には、サルモネラ菌等、野菜にはセレウス菌等、魚介類には腸炎ビブリオなどの食中毒菌(雑菌等)が 付着している恐れがあます。

それらをカット済生食用野菜や加熱済み食品と混在して保管することによって、 汚染させてしまう危険性があるため棚を分けて保管する必要があります。

 

また、冷凍庫においても同様です。冷凍しても食中毒菌等の雑菌は死滅するわけではありません。

最近は冷凍技術の発達により急速冷凍される食材が非常に多くなっています。

このため、食中毒菌などの雑菌が仮死状態で食材に付着しています。

この食材を解凍すればまた、細菌は再び増殖することになりますので、冷凍庫での相互汚染を防止するためにも、区分して 保管してくだささい。

 

その保管方法としては、野菜などの原体は多量の雑菌等が付着している恐れがあるので、一番下の段に 手を加えた食材(カット済みなど)はその上の段、そして加熱済み食材は一番上の段に保管すればよいでしょう。