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ノロウイルス対策「衛生管理の基本は手洗い」

食品衛生は手洗いに始まり手洗いに終わる。

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最近、食品取扱従業者の手指により汚染が拡散されたもの思われる大規模な食中毒が増えています。

ノロウイルス、サルモネラ、病原性大腸菌、赤痢などは、人の腸内でのみ増殖することから、トイレで汚染された手指で食品に触れるという汚染の連鎖により食中毒が発生します。また、家庭、保育園、老人福祉施設などでは、おむつ替え作業時に手指が汚染されている事実があります。

そして、食品を経由しない感染症も含めると、年間何万人もの人々の不適切な手洗いによって食中毒、感染症に罹っているのです。

昨今、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌といういわゆる3大食中毒は激減しているのですが、反対にノロウイルス食中毒の発生の勢いは増加するばかりです。

ノロウイルスは、先ほど申しましたように食品中では増殖することはなく、感染源は大便と吐物であり、感染経路は手指です。

従って、ノロウイルスの食中毒防止のためには、ウイルス汚染の起点となるトイレ後の手洗いが非常に大切になります。

大半の方はトイレ後に手を洗ってはいますが、ノロウイルス感染・食中毒が猛威をふるっているのは、その手洗方法と手洗いのタイミングに問題があるということにほかなりません。

 

衛生的手洗い方法

手洗については、手先をただ濡らすだけと勘違いされている方が多く見られます。

食品取扱施設では、最近、手洗い管理が厳格になりマニュアルに沿ってしっかり手洗いを指導されている施設が増えています。

手洗がしっかりとなされているかを管理するには、手を洗った後、手の「拭き取り細菌検査」を定期的に実施することが効果的です。

また、大便は家庭で済ませること多いので、家庭内で石鹸を使いきちんと手洗をしているのかをしっかり指導することも大切です。 家庭内では、トイレットペーパーを掴んだ手指が最も汚染されているので、反対側の手で蛇口をひねることを習慣付けし、洗い落とされずに手を広く汚染しただけとならないように、しっかりと汚れを落とすことに注意します。

 

電子顕微鏡でやっと見えるノロウイルスは、感染者の便に1g中1億個も含まれると言われています。トイレットペーパーを通して指先が汚染され、食品に触れると汚染されます。

手洗いは一見簡単なようですが、「衛生的な手洗い」を適切に実行することは難しいことを認識すべきです。

 

手洗い設備

手洗い設備は、従事員数に見合った数の手洗い蛇口を用意して水を十分供給し、手指の洗浄と乾燥が適切にできるよう維持するとともに、手洗いに適切な石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、消毒剤等を備えて、常に使用できる状態にしておきます。特に、ノロウイルスは冬場に多く発生しますので温水設備も必要です。

 

手洗いのポイント

 

①トイレ後の手洗いはトイレットペーパーを握った方の手の中指、薬指、人 指の3本の指先を意識的によく洗う。

 

②爪は特に汚れやすいので、爪ブラシを使って洗い落とす。

 

③トイレの後、作業開始前、盛り付け等の清潔作業を行う前などは手洗いをする。

 

④ノロウイルスはヒビテン、オスバン等の消毒液が効きません。石けんでよく洗うという手洗いの基本を守ることが大切です。

 

⑤強い消毒液は、皮脂を落としてしまい黄色ブドウ球菌が検出されることがあります。適宜ハンドクリーム等で油分を補給してください。

 

⑥自己健康管理を行い、仕事前には健康チェックシートに記録しましょう。