食品衛生の細菌基礎知識
FAO/WHOのCodex委員会が示した食品衛生の一般原則では、細菌検査や理化学的検査よって作業手順を検証し改良することを推奨しています。
食品取扱者にとっては、食品衛生の目的や意義を踏まえると食品細菌に関する知識は必須だといえます。
細菌とは
細菌自体は、あまりに小さく肉眼で観察することはできませんので、細菌検査によって判別します。
細菌は、環境、食品、ヒトの体内などありとあらゆる所に存在し、ヒトと同様に栄養分を摂り込み分裂増殖する生物です。
そして、この生物は、食品の腐敗や変敗、食中毒を起こし、ヒトに危害を及ぼすことがあります。
細菌は、増殖に必要な要因がそろったとき2分裂による増殖を繰り返します。
菌数は、分裂回数によって、1→2→4→8→16→32→64…のように倍々に増殖し、例えば、1個の細菌が、細胞分裂を7回繰り返すと128個になります。
加熱調理後の食品の細菌数は、ゼロ即ち殺菌された状態となっています。
その後、容器に移したり、冷やすなどの行為によって、徐々に細菌に汚染されます。
調理加工や盛り付け後の初期状態の一般細菌数(初発菌数)が1000個/g程度になりますと、分裂を7回繰り返すと12万8000個となるので、弁当、総菜の指導基準である一般細菌数の10万/gを越えることとなり腐敗に進みます。
そのため、初発菌数がその後の食品の品質に大きく影響することが分かります。
初発菌数を少なく抑えるためには、加熱調理後の食品に接触する器具の洗浄殺菌、放冷中の環境、加工による手指からの汚染などに注意しなければなりません。
食品中の細菌は、水分活性、pH、組成、保存温度、相対湿度、環境中雰囲気ガスなどをパラメーターとして発育が大きく左右されますが、最も大きく影響するのは保存温度です。
細菌の発育に最適な温度は35~37℃であり、1個の細菌が細胞分裂して2個になるまでの世代時間は次のとおりです。
腸炎ビブリオ 約10分
大腸菌 約20分
黄色ブドウ球菌 約30分
保存温度を低温とするか若しくは60℃以上に保持すれば、菌の増殖スピードは遅くなり食品の消費期限を延ばすことができます。
菌が繁殖しやすい20℃~50℃の温度帯には、食品を長時間放置しないことが大切です。
まとめ
細菌は、肉眼では観察できない。
ふき取り検査や製品の細菌検査を行わないと、その存在は分かりません。
細菌は、環境中、食品中、ヒトの体内などあらゆるところに存在し、ヒトと同じように栄養を摂り込み分裂増殖する生物です。
その生物は、食品の腐敗や変敗、食中毒を起こし、人間に危害を及ぼすことがあります。
見た目の清潔さは、食品細菌学おける衛生状態とは異なります。
清掃して綺麗になったとしても、微生物に汚染され食中毒菌が付着していることがあります。
熱分解されにくい黄色ブドウ球菌の毒素などを除き、十分加熱調理された食品をすぐに喫食する場合は、見た目が少々不潔であったとしても食中毒菌リスクは減少します。
細菌の増殖抑制には
細菌が増殖するには、温度、水分、栄養分の3要素が必須です。
増殖を抑えるためには、特に温度と時間の管理が重要です。
・細菌は、通常 30℃~40℃で急速に増殖します。・・・・・常温に放置しないこと
・0℃以下、60℃以上ではほとんど増殖しません。・・・・・冷蔵、冷凍保存すること
・食品を加熱することで大半は殺菌できます。・・・・・・・食品加熱時の中心温度に注意すること




