厨房の衛生点検「フライヤーの油は点検していますか」
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弊社では、食品の製造施設や厨房などの衛生点検を実施しております。 食品の安全性に関する意識が高まる中、衛生点検のご依頼が年々増えております。 私共が食品の製造施設や厨房等の衛生点検を実施した際、改善事項としてよくアドバイスさせて頂く事項の中から、「油脂の酸価、過酸化物価」を紹介させて頂きます。 |
油脂の酸価、過酸化物価
フライヤー等で使用している油(油脂)は、使用していると、除々に変敗が進み色が暗色化してきます。
この油脂の変敗を知る化学的指標として、酸価(AV)、過酸化物価(POV)チオバルビツール酸値(TBA)、カルボニル価などが用いられています。
食品規格については即席めん類に酸価と過酸化物価について成分規格(別表)が定めてありますので、その基準を参考にして、フライヤー等で酸価の進んだ油が使用されていないかを点検します。
点検には、加熱油脂劣化度判定用試験紙(AV‐CHECK)を使用し、酸価度を評価します。酸価が進むと過酸化物価の数値も上昇しますので、定期的にフライヤー等に使用している油の点検が必要です。
酸価(AV)が3.0を超えると使用油を交換していただきますようアドバイスしております。
使用油の評価基準は目安として次のようになります。
酸価(AV)
0~2未満 油の劣化はほとんどみられない。
2~3未満 劣化しかけている。
3以上 劣化しているので使用しないほうがよい。
(食中毒の危険性がある)
過酸化物価(POVmeq/Kg)
0~10未満 ほとんど酸価していない。
10~30未満 酸価が進みかけている。
30以上 酸価臭を感じはじめる。
酸価がひどくなると食中毒の危険性があるので使用しないほうがよい。
酸価とは...
油脂は脂肪酸とグリセリンのエステルであり、新鮮な油脂はほとんど遊離脂肪酸を含みません。
油脂の使用中に食品中の水分などにより徐々に加水分解を受けて遊離脂肪酸を増加させ、過熱あるいは動物性食品などの使用によりさらに促進されて多くの遊離の脂肪酸を生じ易くなり酸価(AV)を増加させます。
酸価は、油脂の使用暦の長さ(古さや劣化)などを示す目安としての意味があります。
過酸化物価とは...
二重結合の多い脂肪酸が空気中の酸素を吸収して過酸化物価を作る酸価的変性が起こり、このことが油脂の有害物質への変化となります。
この反応は自動酸価(outo‐oxidation)と言われ、酸素吸収がどんどん進み急激に過酸化物を増加させることがあり、ある程度に達すると、分解したり相互反応したりして下降して行きます。
油脂の粘度が増したり、短鎖アルデヒドができ、悪臭の原因となります。
食品中の過酸化物はそれ自体消化管からほとんど吸収されません。それゆえ過酸価脂質を摂取した際の障害は主として消化管内壁に対するものとなり、下痢や腹痛が一時的症状として現れます。
即席めん類でも過酸価物価が100以上になったものもあり、中毒が発生したこともあります。
過酸化物価がどのくらいで中毒を起こすかは、食品の種類あるいは個人差によりまちまちであり一概に言えません。
今日まで日常の食品として食べ続けていた食品の中に、その食品がもっている固有の値として、乾のり、みりん干し、ラッカセイ菓子などのように、100を越す過酸化物価示すものもあり、即席めんの基準をそのまま適用するには無理があります。
天然油脂(精製された植物油)は、トコフェロールを含んでいるのでかなり安定していますが、それでも食品の保存、流通等における外的条件の中では、光(特に紫外線)と空気(酸素)が最も変敗を促進させるので、調理後の管理が重要です。
別表
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区分 |
規格基準 |
備考 |
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即席めん類 |
成分規格 |
含有油脂、酸価3以下、又は過酸化物価30以下 |
めんを油脂で処理したものに限る |
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保存基準 |
直射日光を避けて保存 |
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