パレートの法則による食中毒リスク別の対策
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パレートの法則「80:20の法則」 パレートの法則「80:20の法則」とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見したべき乗則であり、自然現象や社会現象等などの事例に適用されていますが、現在では、パレートの法則の多くは経験則に近いものといえるようです。 自然・社会現象は平滑なものではなく、必ずばらつきや偏りを伴い、集計すると一部が全体へ大きな影響を持っていることが多い、という現象をパレートの法則の名で包括的に提示されていることが多いといえます。 |
また、主要な一部(80:20の法則で言う20%の部分)だけが重要であり他の重要性は低いという説明がたまに聞かれますが、これはパレートの論旨からは外れています。
食中毒統計データを読み解く
2014年の食中毒事件数は976件(19.355人 死者2名)でしたが、その病因物質として20事例が挙げられています。
上位4は、ノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ属菌、ブドウ球菌であり、合計件数は、660件でした。つまり、パレートの法則に従い、食中毒事件の80%が、病因物質4つの20%で発生していることになります。
食中毒トップ4の原因は、手洗い不足、食用の鶏肉やカキ等の食材由来、2次汚染が占めており、4要因に対して重点的対策を行うことで、食中毒事件の80%を防止できることとなります。
逆に、この4要因への対策が疎かなままで、施設対策や清掃など様々な対策しても残りの20%しか食中毒を防止の効果がないということを意味しています。
もちろん、4要因以外の要因についても、食中毒予防にとっては重要な事であり、対策は不要と言うことではありません。
食品を取り扱われている方でも、このポイントに気が付かれていないことが意外に多くあります。
食中毒リスクの低減
学校給食、福祉施設、ホテルなどの衛生的設備を備えた施設でも食中毒が発生しているのは、上述の4要因への対策が不十分であることが原因です。
では、上位80%を占める食中毒を防止するには、どうすべきか。
病原菌の浸入経路や菌の性質を見極めて、効果的な対策を重ねてゆくことが大切です。
危害要因は、その時代とともにダイナミックに変化していますので、食中毒事件からこの危害要因を見つけては、予防措置を執ってゆくことが大切です。
食中毒リスクは、調理場や衛生管理だけでなく食材にもあります。また、食材別に特に高リスクの食中毒菌があり、発生しやすい季節があります。
例えば、学校給食の食中毒事件では、外部委託食品のコッペパン、ロールパンがノロウイルス食中毒の原因食となっています。
メニュー作成、仕入れ、従事者やパートさんが家庭や外で危険な食材を生食して、知らずに調理場に持ち込んで感染させることも多くあり、経営者からパートさんまで、食中毒リスクに関する知識について、周知徹底が必要です。
食中毒リスクを知る
食中毒菌は食材や人を介して厨房に持ち込まれてきます。食材固有の食中毒菌に汚染されていることがありますので、食材の洗浄や加熱などの調理は、安全性を確保するために大切な工程です。
卵のサルモネラ菌汚染リスクに無知であったため数百人規模の食中毒が発生した事件がありましたが、新しい卵を使う、割置きしないという方法を知ることで、この食中毒は防げます。
食材毎のリスク(汚染の危険性)を知り、その予防対策をキッチリと行うことで食中毒を未然に防ぐ事ができます。
食材毎のリスクとその予防方法を知り、日常生活においても食中毒リスクを低減させましょう。
| 危害要因 | 危 害 | 予防対策 |
| 手洗い不足 | ノロウイルス | 衛生的手洗いをしっかりする。 |
| カキ | ノロウイルス | 1~3月は極力生食しない。 |
| 鶏卵 | サルモネラ | 賞味期限を確認し、新しい卵を使う。 |
| 鶏肉 | カンピロバクター菌 | 生食禁止、2次汚染に注意する。 |
| 魚介類 | 腸炎ビブリオ菌 | 真水でよく洗う、温度管理 |
| 芽胞 | ウエルシュ・セレウス菌 | 温度管理 加熱後放置しない。 |





