微生物とpH
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微生物が生育する為には、栄養分・水分・温度・pH・酸素などについて特定の環境条件が必要で、何れの環境条件が不適切であっても増殖は抑制されてしまいます。
特に、pHは食品の品質保持に重要な役割を果たし、食品添加物pH調整剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウム等)が広く使用されています。 微生物には、生育に最適な特有のpH範囲があり、酸性側とアルカリ性の生育限界pH値は、微生物の種類によって異なります。 大半の微生物は、pH7~8(中性・弱アルカリ性)が最適値となりますが、この最適値pHから外れてしまうと、微生物の増殖は抑制されます。
菌種によって異なる増殖可能な最適pHについて、簡単にご紹介します。 |
微生物生育のための最適pH
① カビ 酸性生育限界値は約2.0、アルカリ生育限界値は8.5、最適は5.0~6.5
② 酵母 酸性生育限界値は約3.0、アルカリ生育限界値は8.5、最適は4~5
③ 一般細菌 酸性生育限界値は5.0~5.5、アルカリ生育限界値は8~9、最適は6~7
④ 大腸菌 酸性生育限界値は4.5、アルカリ生育限界値は9、最適は7.0~7.5
⑤ 乳酸桿菌 酸性生育限界値は4.0、アルカリ生育限界値は8、最適は6~7
カビはpH2.0~8.5の広い範囲で生育し、細菌は大部分が中性付近のpHで最も生育し、腐敗菌は、pH5.5以下では生育が殆んど抑制されます。また、乳酸菌のように、自己生成した酸によるpH低下のために生育が停止し死滅する微生物もあります。
食品は、一般的に酸性から中性を示すものが殆んどであるため(例えば、梅干はpH2.0~3.0 ビスケット・カステラは7.0~8.0)、保存性を考慮する場合には、生育の酸性限界値、最適値のpHを把握しておくことが大切です。
参考資料 微生物制御実用辞典 フジ・テクノシステム





