質量分析法とは?
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物質は、原子、分子、イオン等などが数多く集まってできていますが、これらはすべて質量を持っています。
質量分析法は、物質を電気的にプラス或いはマイナスのイオンの状態とし、その質量を測定することによって原子量/分子量、分子構造、濃度、存在形態などを明らかにすることができる分析法です。
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基本原理
色々なイオン化方法によって原子・分子レベルのイオンとなった測定対象物質は、障害物がない真空中の磁場の中を飛ばせてやると、フレミングの左手の法則によってイオンに横向きの力が働き、イオンの質量に応じて飛行経路が曲がる(つまり、軽いイオンほど曲がり易い)という物理法則を利用します。
そこで、色々な質量を持つイオンが検出器に収束するように、磁場の強さをスキャンさせてやると、磁場の強さに応じた特定の質量を持つイオンを検出器まで順番に到達させることができます。

このようにして検出されたものをグラフ上で、縦軸にイオン強度(イオンがどのくらい量があるか)、横軸に質量電荷比 (m/z m:イオンの質量を z:電荷で割った値)でプロットすると質量スペクトルが得られます。
得られた質量スペクトルに基づいて、試料中の物質が予想できるときは、標準物質の質量スペクトルと比較することにより、その物質の同定に使用できます。
また、特徴的な同位体存在比を示す原子(例えば、塩素、臭素、セレンなど)は質量スペクトルのピーク分布から、これらの存在比や存在量が測定できます。
物質を構成する原子・分子を、直接イオン化して測定するため、fg (10-15g)フェムトグラムオーダーの検出が可能な極めて高感度な分析法です。
また、分子量が100万にも及ぶタンパク質なども分析可能なため、その利用分野は極めて広く、現在最も普及している分析手法の一つです。
質量分析計の構成
質量分析計は、試料導入部、イオン化部(イオン源)、質量分離部(アナライザー)、検出部(検出器)、真空排気部(真空ポンプ)、機器制御・データ処理部等からなっています。




