食品微生物検査 Q&A-Ⅰ | よくある質問 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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食品微生物検査 Q&A-Ⅰ

 

PBD023   

 

皆様、日頃は検査をご依頼いただき誠にありがとうございます。

お預かりいたしました検体は、迅速かつ正確に検査を行っておりますが、色々疑問に思われることも多々お有りのことと思います。

 

そこで、食品衛生検査部宛に、よくお問い合わせ頂くご質問について紹介させて頂きます。

 

大腸菌群と大腸菌はどう違うの?

大腸菌が「大腸菌=E.coli」1種類の菌種を指すのに対して、大腸菌群は読んで字のごとく、「大腸菌とよく似た性状の菌群」を指します。

すなわち、大腸菌群の中に大腸菌は含まれますが、大腸菌群=大腸菌ではありません。

 

もう少し詳しく説明しましょう。

大腸菌を含む大腸菌群は、加熱(中心温度75℃1分)により確実に死滅する菌です。

つまり、これらの菌が加熱食材から検出されれば、加熱不足若しくは加熱後の2次汚染があったということになります。

大腸菌群は自然界にも多く存在する菌を含むため、未加熱食材からは多少検出されても仕方ないと判断されるのに対して、大腸菌(E.coli)の検出は、腸内細菌による糞便汚染と判断されますので、未加熱食材から検出することは望ましくないということになります。

 

大腸菌と呼ばれる菌の中には、O157に代表される腸管出血性大腸菌も含まれますのでより一層注意が必要です。

 

培養と保存試験はどう違うの?35℃48時間培養したら菌数増えてしまうのでは?

「保存試験」とは、「食品(製品)」の状態のまま、指示された温度帯で保管時間後に検査を行う方法で、主に日持ち試験、賞味期限日設定などの目的で行われます。

 

一方、「培養」とは、食品を砕いて検査し、シャーレや試験管に入れて目的とする微生物を検出するために、微生物に最適の温度と時間でシャーレや試験管を保管することを言います。

 

一般生菌を例にご説明しましょう。

35℃48時間の保存試験の場合、食品を35℃の保管庫に48時間保管した後、検査を行い、標準寒天培地を入れたシャーレに固めます。

その後、そのシャーレを一般生菌の培養条件である35℃48時間の培養を行い、菌数をカウントします。

0時間(初発)の検査の場合は、食品のままでの保管は行いません。即検査を行い、シャーレに固め、35℃48時間の培養後、菌数をカウントします。

 

培養すると菌数が増えるのでは?と心配される方もいらっしゃいますが、大丈夫です。

 

例えば、今シャーレの中に菌が10個いるとしましょう。それを寒天培地で固めて、菌が泳ぎまわれないようにしてしまいます。

固めた直後は培養0時間目なので、顕微鏡で見なくては菌は見えません。

でもこれを最適な条件で培養してやると、10個の菌は10個の集落(コロニー)となるのです。

コロニーとなれば、肉眼でも計測可能ですし、菌によっては独特の形状のコロニーを形成するので、菌の種類が大体判る場合もあります。

このようにして、培養により菌数は計測されるのです。

 

一般生菌数「45000」って10の何乗?

4.5×104 です。

指数関数を覚えていますか?

    100    = 10

    1000   = 10

    10000  = 10

    100000 = 10

 つまり。桁数と指数が対応しているのです。

 では問題です。「250」は10の何乗?    正解は2.5×10です。

 

一般生菌を検査すると、その中に全部の雑菌が含まれるの?

残念ながら全部ではありません。概ね含まれるとお考え下さい。

食中毒菌のほとんどは、35℃前後を好むのに対し、35℃では暑くて増殖できない好冷菌(低温が最適条件の菌)や、逆にもっと高い温度が好きな菌もいます。

一般生菌は、通常、空気にさらした状態(好気状態という)で培養しますが、酸素があると増殖できない又は死滅してしまう菌(偏性嫌気性菌という)もあるのです。

これらの菌は一般生菌の培養条件では増殖できないため、別のそれぞれに適した培養条件で検査しなくてはなりません。

 

検査納期について教えて下さい。

主な検査項目の納期は、

一般生菌数・・・4日

大腸菌群数・・・3日

黄色ブドウ球菌・・・4日~6日

大腸菌・・・3日~5日

サルモネラ菌・・・4日~8日

腸炎ビブリオ・・・4日~6日

などです。

日数は受付日より成績書発行までです。

また、判定内容によってはさらに数日伸びる場合がございますのでご了承お願いします。

 

手洗い後に菌数が増えた!?

手指の洗浄消毒後に普通なら菌数は減るはずなのですが、菌数が増えていることがあります。

その原因の一つとして手の常在菌が挙げられます。常在菌は皮脂腺や皮膚のひだの深部に存在しており、手洗いによって表面に浮いてくることがあります。

元々手の表面に付着している菌は石鹸や流水によってほとんど除去できるのに対し、時間が短いなどの正しい手洗いがされていない場合や爪ブラシ、ペーパータオル等で強くこすって逆に皮膚を傷つけたりしてしまうとこの常在菌が浮き、結果的に菌数が増えてしまったということが起こるのです。この場合、手洗い後に正しい消毒を行うことにより軽減することができます。

また他の原因として、水道が蛇口をひねるタイプの蛇口、共用タオルを使用など、手洗い中に何かに触れたときの汚染も考えられます。

 

大腸菌群検出って不適合?

大きく分けて加熱・未加熱食品、器具拭取・手指拭取で考えてみましょう。

食品衛生法により定められた成分規格において、加熱食品や清涼飲料水等、そして乳及び乳製品においてはほとんど陰性となっています。

未加熱食品に対しては規格がないものもありますが、大腸菌群のなかには大腸菌や腸管系病原菌も含まれることがあるため、食品や消費者の安全を考慮するならば、多量に菌が検出された場合は不潔・不衛生だと考えるべきです。

器具拭取・手指拭取においては、洗浄消毒後や保管中はもちろんのこと、作業中においても陰性であることが望ましいとされています。

もし大腸菌群に汚染されていたとして二次汚染の面から考えた時に、非常に食品に接する機会が多いからです。特に器具よりは手指の方が、いろんなものを次から次へと触っていき汚染拡大を容易にしてしまうので、より注意が必要です。

 

大腸菌群の有無はその食品(拭取)の品質を評価する一つの指標であり、加熱食品・洗浄後などの器具や手指からの大腸菌群の検出は十分に不潔・不衛生と言えます。

ただ、大腸菌群は自然界に多く存在するものであり、未加熱食材等や作業中での器具など(未加熱食材の取扱い中や下処理中に限る)では少量の菌数なら衛生学的に問題ないとみなされていますが、多量の菌が検出された時はやはり不潔な取扱いを受けたと思われます。

 

 

以上、いかがでしたでしょうか?

 

ご質問等ございましたら、ご遠慮なく食品衛生検査部までお問い合わせ下さい。