登録検査機関としての内部精度管理
内部精度管理は、衛食117号 平成9年4月1日 【食品衛生検査施設等における検査等の業務の実施について 別添「精度管理の一般ガイドライン」】に基づいて実施しています。
趣旨
食品衛生法第33条第1項第2号ロおよび施行規則第40条第10号の規定に従い、精度管理の実施方法を定め、効果的な内部精度管理を実施する。
出典
衛食117号 平成9年4月1日 食品衛生検査施設等における検査等の業務の実施について 別添「精度管理の一般ガイドライン」
微生物学的検査における精度管理
試験品の種類
① 通常の試験品
「通常の試験品」とは、検査等に供する試験品とする。
② 既知の微生物を含む試験品
「既知の微生物を含む試験品」とは、
| a. | 「菌数計測を目的とする検査等」においては、検査対象微生物を含まない試験品に、基準値程度の濃度及び基準値の10分の1程度となるよう検査対象微生物を添加・調製した試験品とする。 | |
| b. |
「陽性・陰性の確認を目的とする検査等」においては、検査対象微生物を含まない試験品に、検出限界値の5倍程度の濃度となるよう検査対象微生物を添加・調製した試験品とする。 なお、試験品中で均質性を確保できない食品等を試験品として使用する場合は、検査対象微生物を含まない食品等を粉砕、均質化した後、検査対象微生物を添加することとし、試験品の保存中に添加した微生物が死滅するおそれがある場合は、検査等を行う直前に添加・調製する。 |
③ 陰性対照の試験品
「陰性対照の試験品」とは、検査対象微生物を含まない試験品とする。
| ただし、入手が困難な場合は、通常の試験品と同種の食品を加熱殺菌したもの、または検査対象微生物が検出されなかった試験品を使用して差し支えない。 |
④ 培地対照
未使用の調製培地、希釈液、血清等とする。
精度管理に必要な目標値の設定
① 検査施設ごと若しくは検査項目が同一の検査実施手順ごとに、下記の手順により目標値の設定を行う。
② 回収率等の確認
| 既知の微生物を含む試験品(基準値程度の濃度のもの)において、試験品中の濃度と検査結果の差を最小限とするため、添加した既知の微生物の回収率を少なくとも70%から120%を目安として確保する(別途回収率が定められている場合を除く。)。陰性基準の場合は、検出限界値を確認しておく。 |
精度管理の方法
① 菌数計測を目的とする検査等(生菌数の検査等)
| 検査等を実施する都度、既知の微生物を含む試験品(基準値程度及び基準値の10分の1程度の濃度)、陰性対照の試験品(1検体)及び培地対照について検査を行い、既知の微生物を含む試験品については回収率、陰性対照の試験品及び培地対照については結果が不検出であることを確認する。 |
② 陽性・陰性の確認を目的とする検査等(大腸菌群の検査等)
| 検査等を実施する都度、既知の微生物を含む試験品(検出下限値の5倍程度の濃度1検体、陰性対照の試験品1検体)及び培地対照について検査を行い、既知の微生物を含む試験品について結果が陽性であることを、陰性対照の試験品及び培地対照については結果が陰性であることをそれぞれ確認する。 |
③ ①及び②のいずれの場合にあっても、1回の検査等の通常の試験品の数が20検体を超えるごとに
既知の微生物を含む試験品、陰性対照について、さらに検査を行う。
評価
① 菌数計測を目的とする検査等(生菌数の検査等)
| 既知の微生物を含む試験品については回収率が70%以下或いは120%以上になった場合、既知の微生物を含む試験品の結果が不検出となった場合並びに陰性対照の試験品及び培地対照から検出された場合は、検査等を中止し、原因を究明して改善処置を講じた後、検査等を行う。 |
② 陽性・陰性の確認を目的とする検査等(大腸菌群の検査等)
| 既知の微生物を含む試験品について結果が陽性であること、陰性対照の試験品及び培地対照については結果が陰性であることをそれぞれ確認する。逆の結果が得られた場合は検査等を中止し、原因を究明して改善処置を講じた後、検査等を行う。 |
③ MPN法による検査等(腸炎ビブリオの検査等)
| 既知の微生物を含む試験品についてはMPNの検出値によりZスコアを算出し、その絶対値が2以上になった場合、既知の微生物を含む試験品の結果が不検出となった場合並びに陰性対照の試験品及び培地対照から検出された場合は、検査等を中止し、原因を究明して改善処置を講じた後、検査等を行う。 |
その他
| 既知の微生物を含む試験品、陰性対照の試験品及び培地対照の検査は、通常の試験品の検査担当者が通常の試験品と並行して実施する。 |
技能評価
実施
検査区分責任者は、製品検査を実施した検査項目ごとにチェックサンプルを用い検査員全員の技能評価を行う。
頻度
技能評価は、1年に1回以上実施する。
方法
製品検査の検査項目について、検査員全員が検査実施標準作業書に従って検査を実施する。
評価
① 平均値および標準偏差
検査実施手順が適切に繰り返されていることを確認するため、それぞれの濃度で少なくとも5回以上
繰り返し検査を行い、その検出値の平均(Ⅹ)及び標準偏差(S)を次式により求める。
n
② Zスコア
既知の微生物を含む試験品の検出値について、五回以上検査した
各検出値(Ⅹi.(i=1・2・3‥..n))についてZスコアを次により算出し、記録する。
Zi=∣∣Xi一Ⅹ ∣/S
③ 目標値の範囲を超えた場合
原因を究明して改善処置を講じ、検査員間による再現性の確認を行う。
記録及び報告
検査区分責任者は検査結果をまとめて技能評価を行い、内部精度管理の記録(様式1号~3号)に記載して検査部門責任者に報告する。
検査区分責任者は、内部精度管理記録を信頼性確保部門責任者に提出するとともにその写しを保管する。
その他
同一の検査実施手順の試験品が多種の食品等に渡る場合、代表的な食品を抽出して精度管理を行う。
精度管理の目標値については、検査実施手順ごとの目標値と精度管理の記録を適切に保存すること。
本マニュアルによる精度管理が困難な検査項目又は特に注意が必要な検査項目については、下記の「運用上の留意点」に示す方法により実施する。
運用上の留意点
検査対象微生物を含まない試験品
検査対象微生物を含まない試験品としては、寒天培地或いは検査時に試験品の希釈に用いる通常の滅菌希釈液としても良いものとする。
既知の微生物を含む試験品の調製方法
菌数計測を目的とする検査等(生菌数など)
生菌数測定用の内部精度管理用枯草菌芽胞液(1瓶当たり検査対象微生物を107程度 栄研器材)、または凍結保存菌株(Bacillus subtilis等)を107程度に調製した培養液等を使用し、精度管理の都度、検査対象微生物を含まない試験品に添加し、「基準値及び基準値の10分の1程度の濃度」となるように調製する。
腸炎ビブリオ最確数法についても、凍結保存菌株を用いて培養液を「基準値程度の濃度」となるように調製する。
陰性・陽性の確認を目的とする検査等(大腸菌群など)
凍結保存菌株を用い、「検出下限値の5倍程度」になるように調製する。
凍結保存菌株からの菌数の調製
凍結保存菌株を解凍後、液体培地に移植して1晩培養する。その培養液を段階希釈して平板培養 により菌数を計測し(計測値が確定するまで培養液を3~0℃で保管)、菌数確定後、培養液を「検査対象微生物を含まない試験品」に必要量を添加し、求める濃度の菌数を得る。
なお、計測値が確定するまでの間に多少菌数が増減するので、精度管理時、添加に用いた培養液を平板培養して、添加菌数を把握すること。
※単発の検査などで調製日の異なる同種の培地を使用する場合は、各々精度管理を実施しなければならない。




