主要材料の一般的な採取方法
呼吸器系材料
喀痰
上気道、特に口腔内常在菌の混入を防ぐために、滅菌生理食塩水で数回うがいをさせてから、深い咳とともに一気に喀出させて容器に採取します。
咽頭
滅菌生理食塩水で数回うがいをさせてから、滅菌綿棒を用いて感染病巣部をよく擦って粘液を採取します。
消化器系材料
糞便
細菌性の感染性腸炎では、急性期の排出便を採便管に採取します。
採取する部分は、膿性部分や粘液性、血液性部分などがあればその部分を採取します。
胃粘膜
Helicobacter pylori の検査材料として通常、内視鏡による胃生検で採取します。
本菌は外部環境に対してかなり弱いので、専用の輸送培地( ヘリコポーター) に採取します。
泌尿・生殖器系材料
尿
患者自身が自立排尿する場合がほとんどなため、採尿に際して適切な指導を行ってください。
男性の場合は、亀頭部、外尿道口部を滅菌生理食塩水で拭いた後に、滅菌尿コップなどに排尿し、直ちに滅菌スピッツに採取します。
女性の場合は、外陰部分泌物の混入による常在菌汚染が考えられるため、外陰部を消毒の後、外陰部に尿が接触しないように注意して滅菌尿コップなどに排尿し、直ちに滅菌スピッツに採取します。
生殖器分泌物
男性の場合は、亀頭部先端を消毒の後、尿道を圧搾し分泌物を滅菌綿棒に採取します。
女性の場合は、外陰部を消毒の後、膣鏡を用いて、炎症部位に近い新鮮な分泌物を、滅菌綿棒などでよく擦って、周囲の汚染に注意して採取します。
血液・穿刺液
血液
採血部位は、「正中静脈」が適している。
採血に当たり、まず、穿刺部位を中心とした直径5 ㎝ の皮膚表面を、ポピドンヨード綿球で円を描くように中心から外方向に清拭消毒を行ってください。
次に、70 % エタノールでポピドンヨードをぬぐい、表面が完全に乾燥したら、採血します。
血液培養用ボトルはあらかじめキャップを取り、注入口であるゴムキャップ上部を70 % エタノールで消毒してから、穿刺して血液の接種を行います。接種量は5 ~ 10mL です。
穿刺液
採取に当たっての皮膚の消毒は血液の場合に準じて行ってください。採取後は、直ちに滅菌スピッツに入れてください。
その他の部位
膿
非解放性の膿は、穿刺部分を消毒後注射器で採取し、滅菌スピッツに入れてください。嫌気性菌の検査の場合は、注射器で嫌気ポーターのゴム栓に穿刺し注入してください。
あらかじめ嫌気ポーターのゴム栓上部を70 % エタノールで消毒してから、穿刺してください。
解放性の膿は、化膿巣の周囲を消毒後、滅菌綿棒や滅菌ガーゼなどで膿性部を採取します。




