現代の温泉を考える | その他 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

カテゴリー

  LINEで送る  
依頼書ダウンロード ア ク セ ス 初めての方へのご案内 検査ご案内 営業部アッピール 技術的事項のお問い合わせ 許認可

現代の温泉を考える

 

仕事柄、温泉地や街中の温泉に出かけることが多くある。

 

その度、温泉の原点について考えさせられるものである。

 

 

街中を車で走っていると、天然温泉○○といった看板がよく目に付く。スーパー銭湯と呼ばれている銭湯である。銭湯といっても、地下千メートル近くから湯が湧き出している正真正銘の天然温泉である。

 

昔からあるお風呂屋といわれる銭湯とは規模も内容も違う。お風呂の他にもレストラン、マッサージ、カラオケなどが完備され、映画鑑賞ができる処もある。体を洗うよりは、娯楽が目的なのである。温泉の魅力とはいったい何だったのかと、考えてしまうほど充実した施設が用意されている。

 

現在のように医療が発達していなかった昔は、温泉は湯治として医療の一部であった。湧き出た湯にそのまま浸かる鮮度の高い温泉のため、療養には最適の環境であった。今流に言うと炭酸や硫化水素、ラジウムなどの成分がいっぱい含んだ100%原泉かけ流しと言ったところだ。

 

現在では療養のために温泉に出かける人は稀である。資源の有効利用のためか、源泉かけ流しの温泉は少なくなっている。でも、それはあまり問題にはならないようだ。温泉地に趣く多くの人は、安らぎを求めているのである。街のあちこちから湧き上がる湯けむりを見るだけで気分が和むものである。落ち着いた露天風呂にでも入ると心身ともに洗われる。洗い場の無垢の板間にこしをおろし、入浴者と談笑を楽しむ。そこには、せわしく体を洗っている風景は想像できない。至福の時を過ごせるのである。

 

話は街のスーパー銭湯にもどるが、先日かなり大規模なスーパー銭湯に出かけた。家族連れ、老人会の団体、大学生のサークルらしき男女、カップルなどで大賑わいであった。ゲームを楽しむ子供たち、カラオケに興ずる人、マッサージを受ける人、ミニ宴会中の団体さん等。どの人も笑顔・笑顔、満ち足りた時間を過ごしているようだ。もちろんお風呂も屋内・外に大小多数ある。一日中居ても飽きない内容になっている。最近のスーパー銭湯と称する温泉施設は、温泉としてではなく、レジャーランドの感覚で受け止められているようである。これも温泉を利用した、今風の楽しみ方なのである。

 

一方ではひとときの安らぎを求めるために秘湯を訪れる人。また、療養に趣く人。どれもが、日常にはない贅沢な時間を過ごしている。人それぞれ、湯に触れながらその無形の時間を過ごすのが温泉の魅力ではないか。実に多種多様な温泉の楽しみ方ができる現代である。