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トリアージ

 

皆さんは、トリアージという言葉をご存知でしょうか?

トリアージとは

トリアージとは、地震などの災害時、短時間に多数の傷病者が発生し、医療資源(医療スタッフや医薬品等)の制約される中、一人でも多くの傷病者に対して最善の治療を行うため、傷病者の緊急度に応じて、救護・搬送・治療の優先順位を決めることをいいます。

災害時の混乱では、トリアージを行わず通常と同じように受付順で治療を行った場合、重傷者が長時間放置されたり、最重傷者から治療を始めた場合、その治療だけで貴重な医療スタッフや医薬品等が使われてしまい、確実に救命可能な他の重傷者の治療ができなくなるといったことが考えられます。

このような問題を解決するためには、救命の可能性の低いものよりも、救命の可能性の高いものから順に救護・搬送・治療にあたることが必要となり、その優先順位を決定するのがトリアージです。

日本でトリアージの考えが普及し始めたのは、平成7年の阪神淡路大震災でした。怪我人4万人が限られた数の病院に集中し、現場の医師たちは助けられない命より助けられる命に全力をつぎ込む、救命の優先順位をつける必要に迫られました。

そこで、阪神淡路大震災の翌年にトリアージの統一基準が定められトリアージタッグ(写真1)が作られました。タッグには怪我人の名前、トリアージした医師の名前や時刻、症状などを書き込む欄が設けられ、医療現場ではこのタッグを使った訓練が進められてきました。

トリアージが国内ではじめて大規模に行われたのが107人の死者を出す大惨事となった平成17年4月のJR福知山線脱線事故です。現場に駆けつけた医療チームは600人を超える被害者を前にトリアージという重い決断を迫られました。

トリアージは傷病の緊急度や重傷度に応じて、次の4段階に分類されます。

分 類

順 位

識別色

状態及び対応

最優先治療群

第1

生命を救うため、直ちに処置を必要とするもの

(重症群)

(Ⅰ)

窒息、多量出血、ショックの危険のあるもの

待機的治療群

第2

多少治療の時間が遅れても、生命に危機がないもの

(中等症群)

(Ⅱ)

基本的には、バイタルサインが安定しているもの

保留群

第3

上記外の軽症な傷病で、ほとんど専門医の治療を

(軽症群)

(Ⅲ)

必要としないもの

死亡群

第4

既に死亡しているもの、又は明らかに即死状態であり、

(0)

心肺蘇生を施しても蘇生可能性のないもの

 

救命の優先順位はトリアージタッグの先端の色で示されます。

赤色は生命危機に直結する大怪我、最優先の搬送が必要なもの。

黄色は重症であっても赤の搬送が終わったあと搬送されます。

黒色は救命の不可能を意味し、病院への搬送を行いません。

通常、傷病者ひとりにかけるトリアージは30秒以内、判断する人とタッグに情報を書き込む人の二人一組で行われます。

判断は原則として医師が行いますが、状況に応じて看護士・救命救急士が行うことも認められています。

JRの事故ではトリアージが有効に機能したとされる一方、トリアージを行う医師の心の重圧、医療チームと救急隊の連携の問題、赤色のタッグの中での優先度の決定、黒色のタッグをつけられた人の遺族の心のケア等、今後に様々な課題を残しました。   

 

私はトリアージの必要性を充分理解しているつもりですが、家族や恋人といった自分にとって大切な人がトリアージの結果、黒色と判断されたとき、それを納得して受け入れられるか心配なものです。

 

皆さんは、どのように考えられますか?

 

トリアージなど必要とされない事故や災害の無い平和な一年であることを祈ります。