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メタボ体質と遺伝

 

遺伝という言葉を聞けば、中学高校時代に習った、「メンデルの法則」を思い出す人もいるのではないでしょうか。19世紀のオーストリアの修道士グレゴール・メンデルはエンドウマメの交配実験から、親から子へと伝わる特徴(エンドウマメの色や形)の法則である、「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」を発見しました。

今回は、遺伝とメタボ体質の関係について、ご紹介します。

 

遺伝情報

私たちヒトの遺伝情報は、遺伝物質DNA(デオキシリボ核酸)が折りたたまれ、染色体内に収納されています。

染色体数は23対46本で、大きさ順に1番目の対からナンバリングされ1番染色体から22番染色と性染色体のX染色体とY染色体の合計24種類があります。

父親と母親からは染色体の各対の片方ずつが子どもに受け継がれます。

血液型の遺伝

私たちのヒトの遺伝で最も身近に感じることが出来るのが「ABO血液型」ではないでしょうか?

ABO血液型は赤血球表面の抗原の型を表します。その遺伝子は24種類ある染色体の9番染色体の先端近くに存在します。

遺伝子はA遺伝子、B遺伝子、O遺伝子の3種類があります。

A遺伝子がある場合は「A抗原」ができ、B抗原があると「B抗原」ができます。

O遺伝子はA抗原やB抗原を作る働きがありません。

赤血球にA抗原を持つ人は「A型」、B抗原を持つ人は「B型」、A抗原とB抗原の両方を持つ人は「AB型」、どちらも持たない人は「O型」となります。

つまりAB型の男性とO型の女性が結婚した場合、子供はA型又はB型となります。

血液型以外に身近なものでは、「まぶたの一重又は二重」、「えくぼの有無」、「瞳の黒色又は青色」等は「優性の法則」で遺伝します。

 

メタボ体質は遺伝する?

では、メタボ体質というのは遺伝するのでしょうか?

2008年度よりメタボ検診が導入され、気になっている人も多いと思います。

 

糖尿病や高血圧症、脂質異常症(高脂血症)など生活習慣の変化が影響する病気をまとめて「生活習慣病」といい、これら病気にかかると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなります。

生活習慣に原因がある肥満(とくに内臓脂肪型肥満)の人が脂質異常、血圧、血糖値に異常がある状態をあわせもつと「メタボリックシンドローム」となります。

国が定めているメタボリックシンドロームの診断基準は、必須項目となる内臓脂肪蓄積(内臓脂肪面積100平方cm以上)のマーカーとして、ウエスト周囲径が男性で85cm、女性で90cm以上を「要注意」とし、

その中で

①血清脂質異常(中性脂肪値150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値40mg/dL未満)

②血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上)

③高血糖(空腹時血糖値110mg/dL)

3項目のうち2つ以上を有する場合をメタボリックシンドロームと診断する、と規定しています(図3)。

 

メタボ体質になるには

では、どれくらい不摂生を重ねればメタボになるのでしょうか?

 

それには、個人差があります。生活習慣病や肥満になりやすい体質、「メタボ体質」は多数の遺伝子がかかわる「多因子遺伝」です。

 

アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学の遺伝学者ビクター・マキュージック(1921-2008)が作ったヒト遺伝子カタログ「OMIM(Online Mendelian Inheritance in Man):インターネット版ヒト遺伝子カタログ※1」て゜は、「肥満(obesity)」や「糖尿病(Diabetes Mellitus)」を検索すると数百の遺伝子がヒットします。成人に多い「2型糖尿病」でも200以上のヒットがあります。

 

糖尿病では、11番染色体にある「KCNQ1遺伝子※2(理化学研究所)」があり、日本人の2型糖尿病発症の2割に強く関与しています。

肥満に関係する遺伝子も多数の存在が明らかになっていますが、日本人に関係する主な肥満遺伝子としては「β3-アドレナリン受容体(β3AR)遺伝子」、「β2-アドレナリン受容体(β3AR)遺伝子」、「脱共役たんぱく質1(UCP1)遺伝子」の3つ知られています。

日本人のうち、約34%がβ3AR、約16%がβ2AR、約25%がUCP1、の肥満遺伝子を持っています。

遺伝子検査

最近では遺伝子検査技術が向上し、肥満遺伝子検査キットが発売されています。

生活習慣チェックリストの記入と、同封の綿棒などで、口の中の粘膜の細胞をこすり取り、それを郵送するだけで、自分の肥満遺伝子を簡単に調べることが出来ます。

検査の診断結果からは、自分の遺伝子の型や基礎代謝、食事と運動のアドバイスシートが送り返されます。

それにより自分にあった予防対策またはダイエット対策が取る事が出来ますので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?

 

※ 1 インターネット版ヒト遺伝子カタログhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/