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狂牛病は人にうつらない!?

 

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1996年3月20日、英国政府は、狂牛病(正式には牛海面状脳症BSE)が、極めてまれに人間にうつり、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)となって発病する可能性があることを認めました。
この発表のあと、ヨーロッパを中心に大きな混乱が起こりました。

BSEが人間にうつるかどうかを考える前に、人間にも海面状脳症があります。
1920年に発見した人の名前をとってクロイツフェルト・ヤコブ病へ(CJD)と呼ばれています。

CJDは50歳台半ば以降に多く起こります。
主な症状は痴呆で、病気が始まってから1年以内に死亡します。
CJD もプリオンが原因で起こります。

しかし、人間のCJDは動物の肉を食べて起こるものではありません。
羊のスクレイピーは200年以上昔からありました。
人間はそれよりずっと昔から 羊の肉を食べてきました。
でも羊の肉を食べてCJDになった人はいません。
CJDの9割は原因不明です。
あとの1割前後は遺伝性に起こります。
スクレイピーがある国でも、ない国でも、BSEがある国でもない国でも、羊を食べようと、牛を食べようと、世界中どこでもCJDの発生率は同じでした。
どこの国でもCJDは100万人に1人の割合で発生します。

羊のスクレイピー、 牛のBSE、人間のCJDは、すべてプリオンという特殊なたんぱく質を病原体として起こりますが、動物の種によって、プリオンは異なります。
牛は羊を食べてBSEになったのですが、山種の壁打があるため、人が牛を食べても、CJDにはならないとされてきました。ちょうど人間が犬のジステンパーにかからないのと同じように、人間のCJDは、羊や牛の病気が人間にうつったものではないという大前提があります。

世界中で、BSBが人間にうつる可能性があると大騒ぎになった発端はイギリスにあります。
1970年代後半に英国で牛の餌に羊の肉骨粉を使い始めた、この為にスクレイピーの羊の異常プリオンが肉骨粉の中で広がり、牛がこれを長い年月、長期間食べ続けたことによって、自然界では通常起 こり得ないことが起こり、約18万頭の牛が感染し、狂牛病:BSEで焼却処分されました。
疑いのあるものを含めると焼却処分の数は数十万頭になります。
イギリスの食文化では牛の脳を食べる習慣が古くからあり、1986年にBSEが初めて報告されるまでは、イギリスでは日常的に牛の脳が入った食品を食べており、 CJDの患者が約100人ほど発生しました。
牛のBSEの大量発生に伴いCJD の患者が出ていることから、1996年に英国政府はBSEに感染した可能性があると公式に認めました。
ほぼ確実にBSEから感染したという表現で、ほぼが付きます。確実にBSEから感染した確固たる証拠はないのです。
イギリスでは、1988年からの防疫対策の結果、BSEの数は1994年(月2千頭) をピークとして現在は確実に減っています。

フランスにいる千100万頭のうち、2000年11月現在、BSEに感染している牛はわずか100頭でした。
BSEに感染している牛は多く見積もっても200頭以下です。
BSEに感染した牛の肉を食べる確 率は少ない、万一食べても確実にCJDになるわけでもありません。

日本にも2000年末までは欧州から動物性飼料は輸入されていたのですから、日本でもBSEが発生する可能性はあるのです。
EUの報告書では、日本は5段階のりスクで、すでにBSEが確認されているフランスと同じ、中間の3と評価しています。
つま り、EUの報告書は、日本でもフランスと同じ様に200頭の牛にBSEが発生してもおかしくないとしています。
イギリスのBSEは18万頭、CJDの死者99人、日本でのBSEは3頭。しかも日本人は牛の脳を食べない。
つまり、日本でBSEに感染してCJDになる確立は限 りなく0に近いのです。
100億分の1という試算もあります。
しかし、可能性は0ではないので、「可能性はない」と言い切れないのです。たとえ少しでも可能性があれば、「可能性が有る」という正論が罷り通り、大騒ぎをしているのです。
今後、日本でCJD患者が出ても、それは、BSEからの感染よりは、従来の原因不明の100万人に1人のCJDの可能性の方がはるかに大きいのです。