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温度とは何か

 

 

 

著名な物理学者の言葉「温度とは、幻想である。」

 

私たちは、日々、暑いとか、寒いとか、気温のことを気にしていますが、この「温度」の本質について、あまり深く考えることはありません。

 

温度の定義 

「温度」を一言で言うと、当たり前ですが、寒暖の度合いを表す物理量ですね。

 

しかし、ミクロの物理の目で見てみると、「温度」とは分子の運動エネルギーの統計値であり、平たくいうと、物質を構成する分子群の運動エネルギーの平均値を私達は五感で暑い・寒いと感じているのです。

 

温度には下限値が存在し、分子が静止している状態を絶対零度と呼びます。ただし、量子論的には、不確定性原理により、絶対零度でも分子はゆらいでいます。

 

温度の定義は、熱平衡状態における分子の運動エネルギーを、エントロピーという統計値で積分したものです。

 

エントロピーとは

高温TH(ケルビン) の物体から低温TL(ケルビン)の物体へΔQ (ジュール)の熱が移動する場合、両方の物体における熱量変化の合計は、

-ΔQ + ΔQ = 0

となることは、熱力学第一法則のエネルギー保存則のとおりです。

ここでエントロピーとして ΔS=ΔQ/Tという量を定義します。

これは、移動した微小の熱量を温度(K)で除算したものです。

両方の物体におけるエントロピー変化を合計すると、

-ΔQ/TH + ΔQ/TL >0

となり、TH > TLによりエントロピーの和が増大します。

これをエントロピー増大則といい、熱力学第2法則を表現することができます。

熱力学第2法則とは、「エントロピーの合計が増大する変化は自然に起きるが、減少する変化は自然には起きない」という経験則を表したものです。つまり、氷を室内に置いておくと、やがて溶けてしまいますが、その逆の水を置いておいても自然に氷にはならないという現象を当てはめたものです。

可逆変化ではエントロピーの合計は不変ですが、不可逆変化ではエントロピーの合計は増加していきます。

エントロピーは、分子が取りうる状態量、イメージ的には「乱雑さ」を表す量です。

温度が上昇すると、エネルギー分配に対する状態量が増加するためエントロピーは増大します。

体積が増加しても、分子の位置の状態量が増加するためエントロピーは増大します。

 

測定

温度は、統計値であるため、低密度な分子状態や微小範囲を対象とする場合は統計的に値が安定しない問題があり、分子の運動状態を1個ずつ観測することは技術的に困難であることから、間接的な方法でしか計測できない計りにくい物理量といえます。

温度計測の方法としては、物体から放射される電磁波を計測する方法、アルコール温度計や温度センサーを物体に接触させ熱平衡状態にして計測する方法などがあります。