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ヒトの消化・代謝と異物

syoukaki  

私たちは食物から、毎日活動するためのエネルギーと、体の成長や維持に必要な栄養を摂っています。

 

炭水化物、タンパク質、脂肪という三大栄養素の他に、食物から栄養を取り出すために必要なビタミン類やミネラル類も食物から摂り入れています。

 

しかし、同時に人間の体にとって不要な様々な異物も体に入っています。

食べたものは体内でどうなる?

人間にとって必要な物質は、それぞれ専用の代謝機構で体内に取り込まれます。

タンパク質は、アミノ酸に分解され小腸の膜を通り、組織の一部になります。

脂肪は、グリセリンに3つの脂肪酸が結合したトリグリセリドを食品から摂取しています。

そして、消化器系で一本鎖の脂肪酸3本とグリセリンに分解し小腸の膜を通って、再び3本鎖のトリグリセリドに再合成され、エネルギーとして使うためリンパ液によって体内に送られてから血管に入ります。

糖はグルコースに分解された後、解糖系からTCAサイクル(クエン酸回路)と呼ばれる一連の反応でエネルギーが取り出され、一部は肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。

異物は、薬物代謝酵素系という機構で処理され解毒されます。

 

私たちは、日常的に異物を摂取している

体に不要な異物には、色々なものがあります。栄養の過剰な吸収を抑えるともいわれている食物繊維、食欲を増進させる桜餅の香り(クマリン)やバニラの香り(バニリン)などの様々な香り成分、アルコールなどの嗜好品、更に排気ガスやハウスダストに含まれる様々な物質も体内に摂り込み処理しています。

 

異物は体内でどうなる?

水溶性の食物繊維などは、小腸で吸収されずにそのまま体外へ排出されます。

油に溶けやすい成分は、小腸から吸収されます。肝臓では、余分なコレステロールなどと一緒に水溶性の物質に変化し、胆汁とともに十二指腸に排出されます。肝臓は、生体にとって不要な物質を処理しているのです。

肝臓では薬物代謝系酵素が異物の代謝処理を行っており、多くの処理に複数の酵素からなるチーム(チ(シ)トクロムP450(CYP))として働き、構造の違う物質を処理することができます。

この肝臓の代謝機構のおかげで、様々な食事をしてもその中に含まれる異物を、全身を巡る血流に入らないようにして体外に安全に排出しています。

 

天然物には様々な異物が含まれている

私たちがバジルや黒こしょうなど摂取する際、ごく微量含まれているメチルオイゲノールも同時に摂り込まれています。

EUでは、メチルオイゲノールは動物実験で発がん性がある可能性があることから食品添加物として認められていません。

しかし、自然の植物に含まれる微量の含有量程度では代謝酵素のチ(シ)トクロムP450(CYP)によって速やかに解毒されたり、尿や便とともに排出されたりして体内に蓄積しません。

 

異物を処理する能力に個人差

ヒト同士では、一つ一つの酵素の働き度合は数十倍の違いがありますが、複数の酵素群が協同して処理を行っているので、全体としては、ほとんどが10倍以内に収まります。

また、状態によって処理能力が変化する場合があり、例えばアルコールを摂取すると、その処理能力がある程度向上することが知られています。

 

食品と相性の悪い薬

グレープフルーツに含まれるある成分は、フェロジピン(降血圧剤)などを分解する酵素に結合してその働きを阻害してしまうため、多くの薬成分が摂り込まれて血圧が下がりすぎることがあります。

個人によってその程度に差がありますが、薬によっては一緒に食べてはいけない食品があります。

 

まとめ

毎日、体に必要な栄養を摂っている一方で、体に不必要な様々な異物も摂りこんでいます。それらは、体内でそれぞれ専用の代謝機構で分解や代謝されて、必要な栄養となる物質だけ体に摂り込まれ、異物は、肝臓などで薬物代謝酵素系という機構で解毒されて、尿や便とともに排出されています。

しかし、お酒の飲みすぎや食べ過ぎた場合には、肝臓の代謝の機能が不十分となり解毒しきれないこともありますのでバランスの良い食事を心がけ、肝臓を健康に保つことが大切です。

 

※食品を科学する-リスクアナリシス(分析)連続講座

http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20141204ik1