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腸管出血性大腸菌

 

図4  

腸管出血性大腸菌は、1982年アメリカで出血性大腸炎の起因菌として命名されました。

大腸菌は人や家畜の腸内に存在し大半は無害ですが、ヒトに下痢や消化管症状を起こすものがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。

病原性大腸菌の中には、強力なベロ毒素を産生し出血を伴う腸炎や溶血性尿毒素症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌(EHEC)と呼ばれるものがあります。

 

腸管出血性大腸菌による感染症は、国内において多くの感染者を出しており、未だに毎年3000例以上が報告されています。

腸管出血性大腸菌の代表的な血清型として、O157(約80%)、O26(約13%)、O111(約2%)があり、その他にまれな血清型による重篤感染事例もみられます。

わが国では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で第三類感染症として位置付けられました。

 

感染経路 

腸管出血性大腸菌(EHEC)で汚染された食物などを経口摂取することによって起こる腸管感染であり、感染力が強く非常に少ない菌数で発症し、潜伏期間は1~10日、ヒトからヒトへの二次感染も問題となっています。

感染経路としては、主に牛肉よるものが多く、生肉(ユッケ、牛生レバー、牛タタキ、肉を焼くときのトング)又は加熱不十分な牛肉、その他に食肉等から二次感染した食品、水系感染(飲用水、トイレ、風呂等)、牧場などでの動物への接触などが主な感染経路になります。

 

症状と治療方法

主な症状は、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛などで、やがて鮮血便の血便が始まり、痙攣、意識障害、脳症を呈することもあり、死に至ることもあります。

治療は、下痢に対して整腸剤を用いますが、腸の運動を抑制する下痢止めは使用しない方がいいでしょう。

抗菌剤はカナミシン、ホスホマイシンなど使用することがありますが、医師の判断により必ずしも見解は一致していません。水分補給・安静に努め、消化しやすい食事を心がけましょう。

 

過去の集団食中毒発生事例

 

Wikipediaより抜粋

 

1996年(平成8年)

 この年は、O157の集団感染が頻発し、発生件数179件、患者数14,488人、死者8人にも上った。

また、連日のニュース報道によって、世の中にO157の危険性が周知されることとなりました。

 

5月28日

岡山県瀬戸内市の小学校・幼稚園の児童等に集団下痢症が発生し、5月29日検査の結果O157が原因と判明、死者2名、有症者は468名にのぼった。

その後、岡山県新見市、広島県、岐阜県などで集団発生が散発的に発生した。

大半の事例では、原因食品などは特定されていない。

 

7月13日

大阪府堺市の小学校 90 校、養護学校 2 校において、「堺市学童集団下痢症」と称される学校給食による学童の集団感染が発生した。

患者総数は 9,523 名に上り、791 名が入院した。

うち 121 名が溶血性尿毒症症候群 (HUS) を発症し学童 3 名が死亡するに至った。

患者には長く後遺症が残った方がおり、2014 年度に堺市が経過観察での検診対象とした 20 名のうち、女性 4 名は高血圧や慢性腎炎の治療が必要とされていたところ、2015 年 10 月に当時小学校 1 年生だった 1 名が当該後遺症により死亡した。

 

1997年(平成9年)

発生件数176件、患者数5,407人を出している。

 

1998年(平成10年)11月

山口県の特別養護老人ホームの入所者17人が腹痛、血便を含む下痢を発症した。

13人が入院し、患者の糞便からO157が検出された。

被害者数18人、死者3人。給食に提供されたサラダからO157が検出されている。

 

2002年(平成14年)8月

宇都宮市内の病院と隣接した老人保健施設で入所者28人が下痢や粘血便などを発症した。

老人保健施設で昼食に提供された和え物からO157が検出された。

糞便検査の結果、患者123人のうち47人からO157を検出。死者9人。

 

2005年(平成17年)

香川県高松市香川町の公営老人福祉施設と同県丸亀市の特別養護老人ホームでO157集団感染が発生した。

両施設の患者から採取したO157の遺伝子が一致したことを県当局が発表し、2006年2月16日提供された給食の保存食の浅漬けからO157が検出された。

 

2005年(平成17年)11月23日

大阪府高槻市の児童福祉施設で男児(3歳) が病原性大腸菌O157で死亡した。

同所では2-7歳の幼児13人が下痢や腹痛の症状を訴え、入院した。

死亡した男児も含めて2人から病原性大腸菌O157が検出された。

 

2009年(平成21年)9月5日

埼玉県・東京都・大阪府・奈良県・山口県・愛媛県の6都府県の大手ステーキチェーン店舗において、角切りステーキを食べた11人が、O157による食中毒を発症した疑いがあると発表された。

 

2011年(平成23年)4月

富山県と福井県の焼き肉チェーンにおいて、21日から26日にかけて焼肉やユッケなどを食べた6歳から70歳の24人が食中毒症状を発症して医療機関を受診し、5名がO111で死亡した。

 

2012年(平成24年)5月

焼き肉店において、5月31日にハラミ、豚カルビ、上カルビなどの焼肉を食べた33人の高校生グループのうち、16人が食中毒症状を発症して医療機関を受診し、3人が入院した。発症した生徒からはO157が検出された。

 

2012年(平成24年)8月

北海道札幌市とその近辺の高齢者施設において下痢・血便の症状を呈する入居者が相次ぎ、最終的に169人が発症、8人が死亡する事態となった。

保健所調査によって白菜の浅漬け製品が原因であると発表された。

 

2014年(平成26年)7月27日

静岡市で開催された花火大会で、露店で販売された冷やしキュウリ(生キュウリの浅漬け)を食べた来場者が相次いで腹痛、下痢、血便を発症し、静岡市保健所の調査でO157による食中毒と判明した。

510人が発症し114人が入院。5人が溶血性尿毒症症候群になった。

 

腸管出血性大腸菌による食中毒予防ポイント

 

腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜が保菌している場合があり、糞便に汚染された食肉からの二次汚染により、あらゆる食品が原因となる可能性があります。

 

食材などから調理器具を介した二次汚染の防止を防止するため、生肉を取り扱うトングなどの調理器具は区別しましょう。

 

腸管出血性大腸菌は加熱により死滅しますので、十分に加熱(食品の中心温度が85℃、1分以上)しましょう。

 

焼肉やバーベキュー等、自分で肉を焼きながら食べる場合も、十分加熱し、生焼けのまま食べないようにしましょう。

 

特に、若齢者、高齢者、抵抗力が弱い方は、重症化することがありますので、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないようにしてください。

 

野菜は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつけましょう。

 

トイレの後と食事前は、石鹸と流水によって十分に手洗いし、食中毒予防対策を確実に実施することが大切です。