リステリア属菌「リステリア・モノサイトゲネス」 | 細菌とウイルス | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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リステリア属菌「リステリア・モノサイトゲネス」

 

Listeria  

リステリア属菌(リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes))は、自然界に広く分布する食中毒原因菌であり、哺乳動物から昆虫まで広い宿主域を持っています。

従って、あらゆる食品が汚染される可能性があり、特に、乳、乳製品、食肉、魚介類などの食品での汚染事例が多数発生しています。

特に非加熱乳肉製品加工品の危険度が高いということが分かっています。

 

リステリア属菌とは

リステリア属菌は、グラム陽性短桿菌、嫌気性細菌、非芽胞形成菌です。

「芽胞形成」とは、胞子(=芽胞)を形成することを意味し、高温、凍結、乾燥、酸・アルカリ、紫外線、放射線、殺菌剤等のストレスに対して強い耐性を持っています。

リステリア属菌は芽胞を形成しない細菌であることから、耐熱性は弱く75℃数分の加熱で死滅してしまいます。

一方、0℃~45℃で増殖して耐酸性が強く、常温では10%の食塩水でも増殖できる特質を持っています。
リステリア属菌は、現在15種類が知られていますが、ヒトへの病原性を持つのはリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)だけです。

リステリア感染症は、新生児や老齢者、基礎体力・免疫力の低下した人や妊婦に発生する傾向があり、集団感染事例によれば、潜伏期間は2~32時間(平均20時間)とされています。また、散発事例では、更に長い潜伏期間(2週間程度)を要する報告もあるようです。リステリア感染症の症状は、通常の食中毒(急性胃腸炎)ではなく、多くの感染者が髄膜炎、敗血症を併発することが知られています。感染を受けやすいのは、妊婦や胎児、乳幼児、高齢者です。

 

リステリア属菌と食品

食中毒事故全体におけるリステリア・モノサイトゲネス感染の占める割合は、0.02%程度と非常に少ないです。

しかし、一旦発症するとその死亡率は30%と高く、公衆衛生上、非常に問題視されています。

リステリア属菌の特徴として、リステリア感染症は、乳製品、食肉製品、サラダなど未加熱でそのまま食べる食品や調理済食品で多く発生しています。

リステリア属菌による最初の食中毒事例は、1981年にカナダで発生したキャベツコールスローが原因とされた集団食中毒であり、それ以後は、ソフトチーズ、サラダ、肉製品などによる報告事例があります。

 

検査の必要性

国内のリステリア症は、欧米に比較しすると食中毒発生件数は少ないですが、リステリア属菌による食品汚染は欧米と変わらないという報告があります。

従って、今後国内でも欧米のように食品によるリステリア症が多く発生する可能性があることになります。

そのため、乳製品、食肉製品、サラダなどの調理済食品を中心に、リステリア属菌の検査を行うことは感染症防止の対策として非常に重要な手段となります。

  

検査方法

2014年の年末に通知された非加熱食肉製品およびナチュラルチーズ(ソフトおよびセミハード)を対象とした「リステリア・モノサイトゲネスの検査について」(平成26年11月28日食安発1128第2号、平成26年12月25日食安発1225第1号)の検査方法を簡単にご説明します。

本検査法は、

「本試験」  : 対象となる食品検体1g当たりのリステリア・モノサイトゲネスの生菌数をn=5で定量試験を行い評価

「予備試験」 : 検体量25g当たりの定量試験と定性試験を併用することで評価

の2つに分けられます。

 

本試験の手順を説明しますと、
 

・検体Xgに9倍量のBPW(Buffered peptone water)を加えて、20±2℃で1時間±5分間静置培養します。

 

・培養後の培養液1mlを、よく乾燥させた3枚の選択分離培地に分けて塗抹します。

 必要があれば10倍段階希釈を繰り返し同様に塗抹します。

 選択分離培地は、Ottaviani and Agosti リステリア寒天培地若しくは酵素基質培地を使用します。

 

・培養液が寒天培地に吸収されるまで15分程度放置し、37℃で24~48±3時間培養します。

 

・培養後、3枚の培地上の定形集落の合計数を算出します。

 次に、5個の集落を釣菌して、TSYEA寒天培地に画線塗抹し37℃で18~24時間培養します。

 

・発育した集落について、リステリア属菌の確認試験としてグラム染色、カタラーゼ試験、

 必要があればヘンリー斜光試験、運動試験などを実施します。

 

・リステリア・モノサイトゲネスの確認試験として、炭水化物分解試験、CAMP試験を行います。

 

以上の結果に基づき、下記の式でリステリア・モノサイトゲネスの菌数を算出します。

 

a = b / A × C × D

 

a:リステリア・モノサイトゲネスの検体 1gあたりの菌数
b:確認試験でリステリア・モノサイトゲネスと確認された集落数
A:確認試験として釣菌した集落数
C:3枚の選択分離培地上の定形的集落数の合計
D:希釈倍率

  

結果の判定

 

非加熱食肉製品およびナチュラルチーズ(ソフトおよびセミハード)において、成分規格は100cfu/g以下が基準となります。

 

感染を予防するために

下記のことを注意して、感染の予防に努めてください。

 ①食肉・鶏肉を長期間保存する場合は冷凍し、食べる前には十分な加熱をする。

 ②生野菜は、食べる直前に十分水洗いする。

 ③生肉やチーズは、冷蔵庫内で他の食品と分けて保管する。

 ④殺菌していない生の牛乳や加工品は避ける。(特に外国で牛乳を飲む場合は殺菌していることを確認しましょう。)

 ⑤生の食品を取り扱った包丁、まな板等は十分洗浄する。

 ⑥リステリア菌は、低温下でも生存しているので、冷蔵庫での長期保管には注意する。

 ⑦加熱用チーズの生食は、避ける。

 

厚生労働省通知
リステリア・モノサイトゲネスの検査について(食安発1128第2号 平成26年11月28日)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000067540.pdf
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(食安発1225第1号 平成26年12月25日)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070321.pdf

 

弊社では、新通知法によるリステリア・モノサイトゲネスの検査を受託しております。

詳しくは、こちらの検査ページをご覧ください。