ノロウイルス・よくある質問 | 細菌とウイルス | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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ノロウイルス・よくある質問

 

norwalk  

ノロウイルス食中毒は、以前は冬期に流行するものでしたが、最近では年中見られるようになり、検査の高感度化、スピード化が求められる時代となっています。

弊社では、ノロウイルスを非常に高感度で検出することができるRT-PCR法(遺伝子増幅法)を用いて、午前中に検査ご依頼があれば、即日で検査結果の速報をお送りすることができる体制を整え緊急時の検査依頼に対応できる検査サービスを展開しております。

また、お客様のご要望に細やかに対応できるように全社員が一丸となって取り組んでおります。これを機会に、是非、本サービスの利用をご検討くださいますようお願い申し上げます。

 

 腸内ウイルス検便検査(ノロウイルス検査、ロタウイルス検査、アデノウィルス検査)は、こちらです。

 

ノロウイルスについて、よく質問があるものについて、ここにまとめましたので、ご一読ください。

 

ノロウイルス胃腸炎って何?

outo   ノロウイルスを原因とした感染性胃腸炎・食中毒は、今や年中発生していますが、特に冬期には流行します。
ノロウイルスは手指や食品などを介して口から感染し小腸内で増殖して、嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こします。
普通は軽症で回復しますが、抵抗力の弱い子供・高齢者では重症化したり、嘔吐物を気道に詰まらせて亡くなることがあります。
ノロウイルスは、抗生物質は効かずワクチンも無いため、治療は点滴などの対症療法となります。
そのため、予防対策がとても大切です。

患者のふん便や嘔吐物には、大量のウイルスが排出されるため、次のことに注意しましょう。

・食事の前やトイレの後は、必ず手を洗うこと。
・下痢や嘔吐などの症状がある場合、食品を直接取り扱う作業をしないこと。
・患者のふん便や嘔吐物は適切に処理して二次感染を広げないようすること。
・加熱の必要な食品は中心部までしっかり加熱してから食べること。
・使用した調理器具は洗浄、殺菌すること。

 

ノロウイルスってどんなウイルス?

1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からウイルスが検出され、「ノーウォークウイルス」と呼ばれたのが最初です。
その後、1972年には電子顕微鏡によってその形態が明らかとなり、ウイルスの中でも特別に小さく、球形をしていたことから「小型球形ウイルス」の一種と考えられました。
また、急性胃腸炎患者からは、ノーウォークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見され、ノーウォークウイルス若しくはノーウォーク様ウイルス、総称して「小型球形ウイルス」と呼んでいました。

ウイルスの遺伝子を調査した結果、「小型球形ウイルス」として大半を占めるノーウォークウイルス(ノーウォーク様ウイルス)の他、札幌で発見されたサッポロウイルス(サッポロ様ウイルス)の2種類あることが分かりました。
2002年8月には、国際ウイルス分類委員会(ICTV)において、ノロウイルス属、サポウイルス属に分類されることになりました。

ノロウイルス表面は、凹みがある構造タンパク質で覆われ、内部に遺伝子としてプラス1本鎖RNAを持っています。
ノロウイルスには多くの遺伝子の型があることと、培養細胞や実験動物でウイルスを増殖できないことから、ウイルスを分離して特定することができません。
また、食品中のウイルスを検出することが特に難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を困難にしています。

 

ノロウイルスは、どのように感染するのか?

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ノロウイルスの感染経路は、ほとんど経口感染です。
感染様式は、次のように考えられています。
・ノロウイルスが大量に含まれる感染者のふん便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染する場合
・家庭内や多人数の生活施設などにおいて、人から人に咳などによる飛沫感染によって直接感染する場合
・感染した食品取扱者(食品製造従事者、飲食店の調理従事者、家庭で調理する人など)を介して汚染された食品を食べ、二次感染する場合で近年増加しつつあります。
・汚染された二枚貝を、生で、若しくは不充分な加熱のまま食べた場合
・ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道水の消毒処理が不十分なまま飲んだ場合

このように、食品や水を介したウイルス性食中毒の原因だけでなく、感染症としてウイルス性急性胃腸炎の原因にもなるため、多角的な感染経路がノロウイルスの制御を一層難しくしています。

 

ノロウイルス食中毒の国内での発生状況は?

過去5年間のノロウイルス食中毒発生状況は次のとおりです。

   2012年   2013年   2014年   2015年   2016年 
 事件数(件)  416 328 293 481 354
 患者数(人) 17,632 12,672 10,506 14,876 11,397
 死者数(人) 0 0 0 0 0

2016年(平成28年)の食中毒発生状況によると、ノロウイルス食中毒は、事件数では、総事件数1,139件のうち354件(31.1%)、患者数では総患者数20,252名のうち11,397名(56.3%)となっています。病因物質別にみると、事件数・患者数ともにナンバーワンとなっています。

 

ノロウイルス感染症の国内での発生状況は?

ノロウイルスは、冬期の「感染性胃腸炎」の原因となるウイルスですが、感染性胃腸炎は、様々な原因によるものを含む症候群であり、主な病原体としては、細菌、ウイルス、寄生虫が原因の病原体となります。
原因となる病原体のうち、ウイルスは、ロタウイルス、腸管アデノウイルス、ノロウイルスがあるため、ノロウイルスの感染者は、「感染性胃腸炎」の一部として報告されることとなります。

感染症法では、疾患の感染力や重症度に基づき感染症を5段階に分類し対応することとしています。
ノロウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられた「感染性胃腸炎」の一つとして、全国約3,000カ所の小児科医療機関から定点報告が求められており、その発生の状況について情報公開されています。

 

感染性胃腸炎の過去の定点からの報告数等

   2012年   2013年   2014年   2015年   2016年 
 定点報告数 983,634 1,231,061 1,071,415 1,005,079 987,912
 定点当たり報告数
(感染症発生動向調査事業) 
313.96 391.68 341 319.68 314.02
 死亡数(人口動態統計) 2,295 2,698 2,569 2,405 2,332

定点報告数は、「感染症発生動向調査事業」に基づく全国約3,000の小児科医療機関からの報告によるもので、すべての患者数を把握しているものではありません。
死亡数は、厚生労働省統計情報部「人口動態統計」によるもので、例えば、死亡数÷定点報告数=死亡率のような計算はできません。

 

ノロウイルス感染は、海外でも発生しているか?

ノロウイルスは世界中に広く分布し、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、フランス、スペイン、オランダ、アイルランド、スイスなどで人へのノロウイルス感染が報告されています。

ノロウイルスの流行型

ヒトに感染する主要なノロウイルスは、現在2つの遺伝子群(GIとGII)に分けられ、更にGIは9種類(GI.1~GI.9)、GIIは22種類(GII.1~GII.22)の遺伝子型に分類されています。

また、進化生物学的解析からGIのノロウイルスはウシノロウイルス、GIIのノロウイルスはブタノロウイルスに同一起源を有することが推定されています。

急性胃腸炎・食中毒患者から、検出頻度が高いのは、GI.2、GI.3、GI.4、GI.6、GII.2、GII.3、GII.4、GII.6、GII.14、GII.17です。
特に、GII.4は、2006年以降、ノロウイルスによる胃腸炎患者の大半から検出されています。

また、GII.17が、2014年頃から、国内以外の台湾や中国でも流行しています。
この遺伝子型のウイルスは、免疫を持たない人が多いことが推定されるため、今後も流行する可能性があります。

 

ノロウイルス食中毒は発生しやすい時期は?

月別の発生状況をみると、年中発生していますが、11月頃から発生件数が増加傾向に入り、12~翌年1月がピークとなる傾向があります。

 

月別の年次推移 (上段:食中毒件数(件)、下段:患者数(人))

   1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
 2012年  66 49 63 26 3 6 7 2 5 13 57 119
2,594 987 2168 666 49 261 307 19 92 384 2447 7,658
 2013年  79 53 57 27 14 6 5 2 2 9 14 60
1,933 2,218 1,985 1,875 756 237 60 64 14 591 540 2,399
 2014年  92 38 56 22 7 2 3 4 1 2 18 48
4,709 1,297 1,672 598 98 32 54 159 24 47 402 1,414
 2015年  124 114 94 24 13 13 9 10 2 11 29 38
3,787 2,524 3,792 790 333 345 178 472 45 349 1,057 1,204
 2016年  72 54 57 22 10 12 3 2 4 12 30 76
1,923 1,298 1,819 774 449 214 135 50 59 192 1,339 3,145

 

発症するためのノロウイルス量は?

食中毒は、微生物が発症菌数まで増殖することによって発生します。

微生物の分裂速度及び発病菌数の目安を示します。

 

微生物名

1回の分裂に要する時間

発症微生物数

ノロウイルス

-

10~100個

病原大腸菌

 17分

 10~100個

腸炎ビブリオ

 8分

 10,000個

セレウス菌

 17分

 100,000個

サルモネラ

 21分

100~1,000個

黄色ブドウ球菌

 27分

 100,000個

ボツリヌス菌

35分

 3~100個

ウェルシュ菌

 早い

100,000個

東京都発行「食品衛生 知っ得情報」より転載

 

ノロウイルスは10~100個程度の少量を摂取することで感染する微生物であり、食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」のうち、「増やさない」が通用しません。

少量の微生物が食品に付着しただけで食中毒を起こすおそれがあることから、いかに「つけない」を徹底するかが最重要となります。

 

ノロウイルスに感染した場合の症状は?

潜伏期間は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。
通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し後遺症はありません。

嘔吐は、突発的に襲ってきます。突然のことなので、トイレに行く暇もなくベッドや衣服・床面などに吐いてしまいますので、汚染が拡散して家族にも感染させてしまう原因となります。

また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあり、「不顕性感染者」と呼ばれます。

感染者の3~5割は不顕性感染者となり症状を呈する感染者と同程度の10億個/g以上のノロウイルスをふん便に排出していることが分っており、感染防止対策が手薄になりがちのため、感染者拡大の未然防止ためには、ノロウイルス検便検査の定期的実施が非常に大切となっています。

 

ノロウイルス感染で亡くなった方は?

病院や社会福祉施設でノロウイルス集団感染が発生している時、その施設で亡くなった方があります。
しかし、病気や体力低下により介護が必要な方が亡くなった場合、ノロウイルス感染の関与の程度について判断することは難しいと言えます。
なお、吐いた物を誤嚥することによる「誤嚥性肺炎」、吐いた物を喉に詰まらせて窒息など、ノロウイルスが間接的な原因と考えられるケースもあります。

 

治療法はありますか?

現在、効果的な抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。
抵抗力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状や体力消耗を抑えるため水分と栄養の補給を充分に行います。
重度の脱水症状は、輸液などの治療が必要になります。
下痢止薬は、病気回復が遅くなることがあるので使用しない方が望ましいです。

 

診断には、どのような検査を行うのか?

通常、症状や感染状況から、ノロウイルスが原因と推定し診療が実施されていることが多いものと考えられます。
つまり、ノロウイルスによる病気かどうかは、臨床症状のみでは特定できないと言えます。

「ノロウイルス抗原検査」は、イムノクロマト法によってふん便中のノロウイルスを検査キットで検出するもので、3歳未満、65歳以上の方を対象に健康保険が適用され、医師が医学的に必要と認めた場合に行われます。
ただし、この検査は早く結果が得られるのですが、感染者でも陰性となることがあるため、未感染であることの確認には使えません。

RT-PCR   そこで、より正確な検査方法として使われているのがウイルス学的な検査方法です。
患者のふん便や嘔吐物から、電子顕微鏡法、RT-PCR法、ウイルスの定量も可能なリアルタイムPCR法などの遺伝子検出方法を用いてウイルスの検出を行います。

ふん便には大量のウイルスが排泄されるので、比較的容易にウイルスを検出することができます。

大量調理施設衛生管理マニュアル(改正:平成28年10月6日 生食発1006第1号)よれば、「ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましい」と記載されています。

 

ノロウイルス集団食中毒の発生を未然に防いだ例

感度の高いRT-PCR法の遺伝子検便検査を実施していたため、集団食中毒の発生を未然に防いだ事例を紹介します。

 

2014年1月

山梨県都留市の学校給食センターと小学校において、市が今週、調理員や配送員38人を独自にノロウイルス検査した結果、8人の調理人の感染が分かった。
8人は発症しておらず、感染経路は不明で児童・生徒への感染や発症も確認されていないという。
しかしながら、検査結果を受け、市では、子どもたちの安全を確保するため、市内11の小・中学校すべてで給食を停止し、弁当を持参させる措置を取った。市は残る調理員の検査と施設の消毒を行った上で、調理員の回復状況をふまえて給食の再開時期を判断する。

 

2017年12月

調理員からノロウイルスの陽性反応が出たとして、久喜市内菖蒲学校給食センターは、2学期の終業式まで旧菖蒲町地域の7小中学校約1400食のおかずの調理を停止すると発表した。

市教委によると、体調不良で18日に休んだ女性調理員からノロウイルスの陽性反応が出た。女性は、15日以前は健康だったという。「他の調理員も検査を行ったが、陰性だった。児童生徒の安全を第一に考え、念のため給食の調理を停止した」としている。

 

ノロウイルス食中毒の原因となる食品は?

過去のノロウイルス食中毒の集計結果によると、食品から直接ウイルスを検出することが難しいため、食中毒事例の約7割はその原因食品が特定できていません。

また、感染した食品取扱者が食品を汚染したことが原因の事例が多いことが、原因食品を特定できない要因にもなっています。

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ノロウイルスに汚染された二枚貝を原因としたものがあります。
二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水しています。

牡蠣は1日約200L、アサリは一日20Lの海水をろ過します。

 海水中のウイルスも同様に取り込まれ、体内で主に中腸腺(ちゅうちょうせん)という臓器に濃縮蓄積されます。

*ウロ(中腸腺)     肝臓と胃の役目を兼ねる内臓で、緑黒色をしています。貝毒や重金属も蓄積します。

下水の影響のある河口近くの海域には多くのノロウイルスが浮遊しているため、二枚貝はウイルスを体に溜め込んでいきます。

ノロウイルスを持っている二枚貝は、牡蠣だけではなく、アサリ、ハマグリ、アカガイ、シジミなども知られています。

ノロウイルスに汚染された二枚貝による食中毒は生や加熱不足のもので発生しているので、十分に加熱すれば、食べても問題ありません。

ただし、調理器具を介してサラダや刺身など他の食品を汚染してしまう危険性が最近取り上げられています。

 

ノロウイルス食中毒の原因食品別発生件数の年次推移(件)

   2013年   2014年   2015年   2016年   2017年 
 総件数 416 328 293 481 354
 魚介類 46 26 27 71 32
 うち二枚貝 41 25 24 68 30
 魚介類加工品 0 0 3 0 0
 肉類及びその加工品  0 0 0 0 1
 卵類及びその加工品 0 0 0 0 0
 乳類及びその加工品 0 0 0 0 0
 穀類及びその加工品 6 4 2 1 3
 野菜及びその加工品 3 4 1 2 1
 菓子類 7 6 3 4 1
 複合調理食品 40 23 27 35 31
 その他 282 245 214 333 262
 うち食品特定 7 1 0 8 5
 うち食事特定 275 244 214 325 257
 不  明 32 20 16 35 23

 

ノロウイルス食中毒の予防方法は?

ノロウイルス食中毒を防ぐためには、

・食品取扱者や調理器具からの二次汚染を防止する。
・抵抗力が弱い子供や高齢者は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱する。

 

ノロウイルス感染者のふん便や嘔吐物にはウイルスが大量に排出されるため、給食施設などの大量調理施設の食品取扱者がノロウイルスに感染していると、大規模な食中毒事件に発展する可能性があるので、特に注意が必要です。

 

食品中のウイルスを失活化させるための加熱条件は?

ウイルスは一般的に熱に弱いため、加熱処理はウイルスの活性を失わせる(失活化)有効な手段です。

食品の国際基準を作る国際機関であるコーデックス委員会が2012年に定めた「食品中のウイルスの制御のための食品衛生一般原則の適用に関するガイドライン CXG79-2012」において、ノロウイルス汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が必要とされています。

現在、ノロウイルスの失活化に必要な加熱条件は、ウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値条件が決まっていないのが実情です。
例えば、A型肝炎ウイルスでは、85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性は失活するとされています。
ただし、加熱によるウイルスの失活化には、加熱温度と加熱時間のほかに、ウイルス粒子数とウイルスの環境、例えば、乾燥状態、液体中、有機物の量、pHなどによっても影響を受けます。
そして、食品中のウイルスは、タンパク質で保護されているため、失活化をより確実にするには、更に厳しい加熱条件が必要とされるものと言えます。

 

手洗い方法はどのようにすればいいか?

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手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを少なくすることができる最も有効な方法です。

調理前、食事を提供前、食事の前、トイレ後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換後には必ず行いましょう。
爪を短く切って指輪は外し、石けんを十分泡立て、ブラシを使用して手指を洗浄します。
濯ぎは温水の流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。
石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

なお、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりません。
石けんによる手洗いが出来ないとき、あくまで一般的な感染症対策として手洗いの補助に用いてください。

 

汚染された調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいか?

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一般的な感染症対策は、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化するには、次亜塩素酸ナトリウムと加熱処理があります。

調理器具は洗剤を使用して十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
なお、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも使用できます。使用に当たっては「使用上の注意」をよく確認しましょう。

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まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオルなどは、85℃以上の熱湯に浸け1分以上の加熱消毒することが有効です。

二枚貝などを取り扱うときは、専用のまな板、包丁を用意するか使用の度に洗浄若しくは熱湯消毒などの汚染防止対策により、他の食材への二次汚染させないように特に注意しましょう。

 

食品取扱者の衛生管理で注意すべき点は?

ノロウイルス食中毒では、患者のふん便や嘔吐物が人を介して食品を汚染したために発生したという事例が多く発生しています。
ノロウイルスは非常に僅かな量で感染するとても感染力の強いウイルスです。

食品への二次汚染を防止するため、食品取扱者は日頃から自分自身の健康状態を把握し、下痢やおう吐、風邪のような症状がある場合には、調理施設の責任者にその旨をきちんと報告しましょう。
調理施設の責任者は、下痢や嘔吐などの症状がある方を、食品を直接取り扱う作業に従事させないようにすべきです。

ノロウイルスは、症状から回復しても、通常、1週間程度、長い場合は1ヶ月程度のウイルスの排泄が続くことがあるため、ノロウイルス検便検査により陰性となるまで直接食品を取り扱う作業をさせないようにすべきです。

さらに、ノロウイルスに感染していても症状を示さない「不顕性感染」が認められていることから、食品取扱者は、ノロウイルスに感染しないような衛生意識を持つことが大切です。
例えば、日頃から手洗いを習慣化するとともに食品に直接触れる際には「使い捨ての手袋」を着用するなどの注意が必要です。
調理施設の責任者は、外部からの汚染を防ぐために一般用と分けて調理従事者専用トイレを設置したり、調理従事者間の相互汚染を防止するための衛生的な調理、ドアノブなどの手指の触れる場所の洗浄・消毒対策を実施することが大切です。
なお、消毒液を保管する場合は、誤飲することがないように消毒液容器に消毒液であることをはっきりと明記しましょう。

 

ノロウイルス感染性胃腸炎の拡散を防止するには?

家庭内や共同生活施設でノロウイルス感染が発生した場合、拡散を防ぐために感染者のふん便や嘔吐物からの二次感染、人から人の直接感染・飛沫感染を予防する必要があります。

毎年、11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しますが、この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および嘔吐物には、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

 

患者のふん便や嘔吐物を処置する際の注意点は?

ノロウイルスは、小腸で感染・増殖するものと考えられています。
嘔吐症状が重症の場合は、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、嘔吐物とともに排泄されてきます。
そのため、ふん便と同様に嘔吐物中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意しなければなりません。

二週間ほど前に汚染したカーペットを介して感染した事例があることから、患者の嘔吐物、ふん便や汚染された床や手袋などには、長時間経過後もウイルスが残っている可能性がありますので、感染源は必ず清掃・消毒処置をしましょう。

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床の嘔吐物やふん便を処理するときには、使い捨てのエプロン、マスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、嘔吐物をペーパータオルで静かに拭き取ります。
拭取り後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き、次に水拭きをします。
おむつは、ふん便を包み込むように閉じます。
おむつや使用したペーパータオルは、ビニール袋に密閉して廃棄します。
この際、ビニール袋に充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)を入れておくことが感染防止上、望ましいと言えます。

乾燥したノロウイルスは容易に空中に漂い、経口感染することがあるので、嘔吐物やふん便は乾燥しないうちに速やかに処置し、空気中を漂うウイルスが屋外へ排出されるよう十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。

11月頃から2月の間に、ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。
この時期の乳幼児や高齢者のふん便および嘔吐物には、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、特におむつの取扱いには十分注意しましょう。

 

嘔吐物やふん便が布団などのリネン類に付着した場合の処置は?

リネン類は、付着した汚物のノロウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で、しぶきを吸い込まないよう注意しながら静かにもみ洗いします。

下洗いしたリネン類の消毒は、85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。
ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム消毒が有効です。
その際、十分濯いだ後、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。

すぐに洗濯できない布団は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。

下洗いした場所は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をする必要があります。
次亜塩素酸ナトリウムには漂白作用があります。薬剤の「使用上の注意」を確認してください。

なお、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。

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塩素系消毒剤は特にその取り扱いに気をつけてください。

目に入れば失明の危険性があるので、必ず手袋、マスクの他、保護用のメガネをかけてください。

金属の腐食、衣類の腐食にも注意してください。

調製した消毒液のボトルには、誤飲を防止するため「消毒液」と明記しておきましょう。

 

感染者が使用した食器類の消毒は?

施設の厨房へ感染者の使用若しく嘔吐物が付着した食器類を下膳する際、注意が必要です。

食器類は、厨房に戻す前、食後直ちに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸し、消毒します。
食器類の下洗い場所、嘔吐後にうがいをした場所も次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。

 

感染者が出た場合、住環境の消毒はどのようにしたらよいですか?

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ノロウイルスは感染力が強く、ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品などからウイルスが検出されます。

消毒が必要な場合、次亜塩素酸ナトリウムを使用してください。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りにも十分にするよう注意してください。

※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。

 

感染が疑われた場合、どこに相談すればいいのですか?

最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。

また、保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要ですので、速やかに最寄りの保健所にご相談下さい。

 

 

参考資料

厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」