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「3秒ルール(若しくは5秒ルール)」の最新検証結果

 

3-second_rule  

かの有名な「3秒ルール(若しくは5秒ルール)」(以下「5秒ルール」で統一。)

 

誤って食品を床に落としても3秒以内に拾い上げれば、細菌で汚染されずキレイなまま食べられるという定説です。

 

このルールは立食パーティなどで役に立ちます。

例えば、相手にデザートを渡すときに手から滑って落とした時、すぐさま、それを拾い上げて「5秒ルール成立!」と宣言することによって、何事も起らなかったように相手にそのまま渡すことができるのです。ただし、ベトベトした食品は、チリや埃だらけとなるので例外です。

 

「5秒ルール」は、いつ、誰が発見したかは謎のままですが、真偽については、これまで様々な実験が繰り返され、床に落とした食品は、5秒を待たずして細菌に汚染されることは概ね明らかとなっていました。

 

今回、アメリカ・ラトガース大学の研究グループは、「5秒ルール」について広範囲かつ全体的に確認し、交差汚染(クロス・コンタミネーション)の要因まで解明することを目的として実証実験が行ない、その結果が公表されましたので、その内容をご紹介します。

 

実験方法

 

用いた食品サンプル

① ブロック状に切ったスイカ

suika

    

② パン

syokupan-2

③ バターを塗ったパン

syokupan-1

 

④ グミキャンディー

gumi

 

細菌汚染された床面素材サンプル

①       ステンレス板

sus

    

②       木材

flooring

③       セラミックタイル

tairu

 

④       カーペット

jyutan

 

床面素材には、サルモネラ菌をシミュレートした無害の「エンテロバクター・アエロゲネスB199A」という細菌を含む2種類の乾燥培地用緩衝液を塗布しています。

 

食品の落下高さは、12.5cmとし、落下後1秒未満、5秒、30秒、300秒を経過後に取り除き、培養培地で培養して細菌数を計測します。

 

食品、床面、放置時間の組合せ毎に実験操作が20回繰り返され、何と合計2,560回にも及ぶデータが収集されました。

 

実験結果について

 

様々な条件の組合せによって、落下した食品への細菌の移行率には差異が見られたとのことです。

 

「床面素材別では」

特に、移行率が大きかったのは、セラミックタイルとステンレスでした。

木材からの移行率は、食品によって差異が見られました。

カーペットは、他の床面素材に比較して最も移行率が小さい結果となりました。

 

「食品サンプル別では」

表面が平滑で水分を多く含むスイカは、カーペットを含む全ての床面から汚染を吸着する効果が最も大きく、一方、グミキャンディーは、最も汚染を受けにくいことが判明しました。

ただし、グミキャンディーがより高いところから落下させて潰れるおそれがある場合は、汚染度が大きくなる可能性があるとコメントしています。

 

「気になったのは」

全実験の中で、実は食品が5秒以内では汚染されない事例が僅かにあったとのことです。

カーペットとグミキャンディーの組合せのケースです。

しかし、これはあくまで例外とされ、5秒ルールを証明するまでの根拠としては不十分であると結論づけています。

 

個人的主観であえて一言申せば、希ではあるが食べて大丈夫な事例があったことは先人たちの知恵もまんざらではなかったのだという印象を持ちました。

 

結論的には、複数の床面素材、複数の異なる食品サンプル、落下方法、床面接触時間を様々に変えて実験した結果、床に落下した食品は、5秒を待たずに簡単に汚染されてしまうことが証明されたわけです。

そして、食品と床面の特性は、他の要因よりも汚染への影響度が大きく、条件によっては、1秒未満の僅かな時間でも汚染されてしまうことも明らかとなりました。

 

ただし、「条件によっては、1秒未満の僅かな時間」の文言が気になりますね。

また、「5秒ルール」を支えていた「汚染された床面との接触時間に比例して、汚染の移行率は増加する」という法則は正しいと支持されたことから、次は、0.1秒未満の極微小領域の時間においても成立するか否かについて、ゼヒ検証してほしいものです。

 

ところで、床は、そんなに汚い?

 

床に落とした食品の細菌汚染の真偽が決着して一安心というわけですが、そもそも、何故に床の汚染が注目されるのでしょうか。

また、台所やリビングルームで、ちょっと落としただけのお菓子位なら平気で食べてしまう方も多いでしょう。

床は細菌で汚染されていて汚いものだという常識は、正しいと言えますが、実は、もっと汚い場所があるのをご存じでしょうか。

 

それは、無意識に多くの人の手が頻繁に触れて細菌汚染されるにも関わらずあまり掃除されない場所や物です。

例えば、冷蔵庫のドアノブ、トイレの水洗レバー、流し台蛇口、携帯電話やスマートフォン、紙幣や小銭、財布、テレビのリモコン、照明スイッチ、パソコンやATMなどのキーボードが挙げられます。

 

そして、当然のことながら、それらに常に触れている私たちの手が実は最も汚ないかもしれないと言えるのです。

 

そこで手洗いの大切さ

私達は、一例として挙げた物に触れず生活ができません。では、どうすればよいのかという問題に辿り着きます。

そこで、昔から言い続けられている生活習慣「調理前や食事前にはキチンと手を洗いなさい」が、クローズアップされます。

 

手洗いは、ノロウイルスの蔓延を見るまでもなく感染症を予防するうえで、自分自身や他の人々を守るために大切な作業なのです。

食中毒事件が報道されるたびに、食中毒防止のため「きちんと手洗いを!」と繰り返しアナウンスされるため耳慣れしてしまっている側面があると思います。

今一度、「手洗い」について家族でじっくりと話し合ってみるのもよいかもしれませんね。