アレルギー様食中毒「ヒスタミン」 | 食中毒 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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アレルギー様食中毒「ヒスタミン」

 

マグロ、カツオ、サバなどの赤身魚やその加工品を食べた後、1時間位で顔面、特に口の周りや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんま疹、発熱などの症状を呈する人があり、以前は体質によるものと考えられていました。

今では、鮮度が低下した赤身魚に含まれるヒスタミンが原因であることが分かり、「アレルギー様食中毒」として取り扱われています。

 

届出されたアレルギー様食中毒事例について見ますと、大半は学校などの集団給食施設や飲食店で同じ料理を食べて同時に多数の人が発症したものであり、家庭内の報告事例は殆ど見られません。

家庭内の報告事例が少ないのは、症状が比較的軽く短時間で治ってしまったようなケースでは届出されないためであり、実際にはかなりの発生件数があるものと思われます。

 

アレルギー様食中毒の原因物質は、ヒスタミンという化学物資であることから、国内の統計では化学性食中毒に分類されます。

しかし、ヒスタミンは、赤身魚に多く含まれるアミノ酸のヒスチジンがヒスチジン脱炭酸酵素を有する細菌の作用で生成されることから、食中毒防止の観点では微生物由来であることに重きを置くべきです。

 

食中毒を引き起こすヒスタミン量が生成されるためには、

 

・遊離のヒスチジンが多量に存在すること。

・ヒスタミン生成菌が付着していること。

・ヒスタミン生成菌が増殖してヒスタミンを生成すること。

の3点が必要です。

 

魚介類の流通過程において、ヒスタミン生成菌が付着しやすいポイントは、魚由来の細菌が多く棲息し魚介類を多く扱う鮮魚卸売市場で用いられる海水、トロ箱、魚が接触する器具類、鮮魚取扱者の手指などがあり、魚介類の水揚げから流通に至る過程の食品衛生管理が非常に重要となります。

 

魚種別のヒスチジン濃度は、概ね下記のとおりです。

ブリ  1500 ムロアジ  870 トビウオ 570
サンマ  1100 ウルメイワシ  740 マアジ 220
キハダマグロ  1000 シマアジ  700 ヒラス 200
ホンマグロ  1000 マサバ  650    
マイワシ  910 カタクチイワシ  610    

単位(mg%):魚100g当たりのヒスチジンmg量

 

ヒスタミンは魚を加熱調理しても分解されないため、温度管理を怠ってヒスタミンを一旦増やしてしまうと減らすことができません。

従って、アレルギー様食中毒が発生するか否かは、納品時の食材に含まれるヒスタミン量によって左右されることから使用食材や納入業者の選定が重要な課題となります。