酸化還元電位~ORPとは~ | 理化学分析 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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酸化還元電位~ORPとは~

 

Nernst equation  

酸化還元電位は、Redox(レドックス)電位とも呼ばれ、英訳はORP(Oxidation-Reduction Potential)となります。 

 酸化還元電位については、インターネットを検索する多くヒットし、色々と説明がなされています。

しかし、数式を使ったりして結構、難解で分かったような分らないような方が多いのではないかと思います。

そこで、数式を使わず平易な文章のみで解説してみたいと思います。

ただし、物理学・化学から逸脱したような記載部分もありますので、そこはご了承のほどお願いします。

 

酸化還元電位とは

 

酸化還元電位とは、文字通り、酸化させる力と還元させる力との差を測定して電圧(mV)で表したものです。

電圧値がプラスであれば酸化力が強く、マイナスであれば還元力が強いということになります。

つまり、酸化還元電位の値がプラス(+●●●mV)なら酸化性物質が多くあり、マイナス(-●●●mV)なら還元性物質が多くあるいうことです。

ご存知のとおり水の化学式はH2Oですので、酸化物質は酸素(O)、還元物質は水素(H)となります。

酸素と水素の酸化還元電位について、ネルンスト式という酸化還元電位を算出できる公式を用いて計算すると、大体、水素が-420mV、酸素が+820mVとなります。

従って、水の酸化還元電位は-420mV~+820mVの範囲内にあることになります。

酸化還元電位は、その溶液が酸化傾向にあるのか還元傾向にあるのかを判断する指標とはなり得ますが、ある濃度が特定される性質のものではありません。

酸化させる力と還元させる力の比を測定していますので、酸化・還元の変化に対して抵抗しようとする能力は、高濃度溶液ほど大きいといえます。

水の中に一種類の酸化性・還元性物質がバランスしている存在している場合は、簡単なのですが、実際の溶液中では、色々なイオンが存在していますので、各イオン間で複数の酸化・還元バランス状態が同時に存在するため、非常に複雑かつ混沌としており、酸化還元電位測定は、その溶液の性質を表す一つの統計的な値であると理解する必要があります。

  

測定方法

 

溶液中に、溶けない金や白金でできた金属電極と比較用電極を挿入すると、いわゆる電池を構成します。

電極の全体構造は、pH電極から水素イオンだけを透過するガラス膜を取り去って全てのイオンに対して感度を持たせたものと理解してください。

pH計を電圧計表示に切り替えて両方の電極間の電圧を測定すると、酸化還元電位(mV)が得られます。
酸化還元電位は、比較電極を基準とする電圧値であるため、比較電極の種類が違えば、電圧値は当然異なってきますので、比較電極として標準水素電極(S.H.E.またはN.H.E.と略す)を用いた値に換算して利用することが定められています。

 

酸化還元電位は、温度によって変化しますので測定時の温度を一定に(例えば25℃)することが大切です。

また、酸化還元電位は、pHによって大きく変化することも覚えておいてください。

 

用途

 

酸化還元電位測定を利用した化学分析手法として電位差滴定があります。

排水中の有機物の存在量指標の化学的酸素要求量COD(Chemical Oxgen Demand)は、排水中の汚濁有機物を化学的に酸化するのに消費した酸化剤(過マンガン酸カリウムKMnO4)の量を有機物汚濁の程度を示す指標としています。

未反応のまま残った過マンガン酸カリウムは、濃度が既知の還元剤を用いて滴定することで求めるのですが、滴定の終点を検出するには、過マンガン酸カリウムの赤色の消失点を目視で判定して行います。

しかし、排水が着色・濁りがある場合は、目視による判定が困難なことから酸化還元電位測定による滴定の終点検出が非常に役立つこととなります。

 

その他に、酸化還元電位は酸化処理による廃液処理において、酸化剤添加の有益な指標として広く用いられていますし、新鮮な温泉水ほど還元性物質が多いため、新鮮さを表すための指標としても用いられています。

 

温泉のORP測定については、下記の文献が興味深いです。一度、ご覧ください。

温泉の酸化還元電位(ORP)に関する注意事項・日本温泉総合研究所