腸炎ビブリオ食中毒 | 食中毒 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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腸炎ビブリオ食中毒

 

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厚生労働省の年間食中毒発生事例の資料によれば、夏季における代表的な腸炎ビブリオ食中毒が年を追うごとに激減*しています。

 

 * 腸炎ビブリオ食中毒が近年激減した理由

厚生労働省が定めた「腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準」が極めて有効に作用したものであり、大阪府公衆衛生研究所メールマガジン第106号「腸炎ビブリオ食中毒はなぜ減少したのか?」に詳解されています。

過去10年の腸炎ビブリオ食中毒発生状況

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

件  数

71

42

24

14

36

9

9

9

6

3

患者数

1236

1278

179

280

579

87

124

164

47

224

 

 しかし、激減しているとは言っても、高温の夏は、魚介類を室温に少し放置すれば、腸炎ビブリオが簡単に増殖するため油断は禁物です。

最近、腸炎ビブリオの増殖を防ぐ真水による洗浄工程が鮮魚店で実施されることが多くなり、喫食までの時間が長くなったことから流通・保存における衛生・温度管理が重要となっています。

 例えば、「刺し身」は食中毒リスクが高く、より注意を要することから飲食店では「刺し身」を提供する間際まで冷蔵保存し、低温状態で提供されるようになっています。

 

生育環境と増殖

本菌は、塩分を好む好塩性細菌に属し沿岸の海水中や海泥中にいます。

水温が15℃以上になると海水中で爆発的に増殖し魚介類に付着しますので、流通過程や調理において取扱いが不適切な場合は、増殖して食中毒の原因となります。

海水と同程度の塩分濃度(3~8%前後)で増殖しますが、熱や酸には弱く真水の中では増殖しません。

通常、細菌は30~45分で分裂し増殖しますが、腸炎ビブリオは、条件が揃えば10分たらずで分裂し増殖します。ただし、10℃以下では増殖しません。

発生時期は7月から9月の夏場に集中しています。

 

原因食品

魚介類の刺身やすし類が代表的なものです。

また、生魚を調理した後の調理器具や手指による二次汚染、冷蔵庫内の交差汚染などによる食品による食中毒も発生しています。

魚介類は、腸炎ビブリオが付着していることを前提として取扱ったほうが賢明といえます。

腸炎ビブリオは真水には弱いため、魚を捌く際に真水で良く洗って二次汚染を防止し、冷蔵して早めに喫食することで食中毒を予防しましょう。

 

症状

潜伏時間は約6~32時間で、激しい腹痛、下痢などが主症状です。発熱、はき気、おう吐を起こす人もいます。

 

食中毒予防ポイント

魚介類は、調理前に流水の水道水で良く洗って菌を洗い流す。

魚介類に使った調理器具類は洗浄・消毒して二次汚染を防ぐ。

魚介類を調理した後のまな板で、野菜などを切らない。

夏季の魚介類の生食は十分注意し、わずかな時間でも冷蔵庫で4℃以下に保存する。

冷凍食品の解凍は、専用の解凍庫や冷蔵庫内で行なう。

加熱調理する場合は、中心部まで60℃、10分以上で加熱する。

 

腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準

厚生労働省は、腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準を定めています。

 

■食品一般の調理基準

未加工の魚介類を生食用に調理する場合、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれのあるものを除去しなければならないこと。

 

■切り身、むき身の生食用鮮魚介類加工品

成分規格

製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。

加工基準

加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。

原料用鮮魚介類は、鮮度が良好なものでなければならないこと。

原料用鮮魚介類が冷凍されたものである場合は、その解凍は、衛生的な場所で行うか、または清潔な水槽中で飲用適の水を用い、かつ、十分に換水しながら行わなければならないこと。

原料用鮮魚介類は、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれのあるものを除去しなければならないこと。

解凍処理を行った鮮魚介類の加工は、その処理を行った場所以外の衛生的な場所で行わなければならない。また、その加工にあたっては、化学的合成品たる添加物(次亜塩素酸ナトリウムを除く。)を使用してはならないこと。

加工に使用する器具は、洗浄及び消毒が容易なものでなければならない。また、その使用にあたっては、洗浄したうえ消毒しなければならないこと。

保存基準

生食用鮮魚介類加工品は、これを10℃以下で保存しなければならないこと。

生食用鮮魚介類加工品は、清潔で衛生的な容器包装で包装して保存しなければならないこと。

表示基準

生食用である旨。

10℃以下で保存しなければならない旨。

 

■煮かに(ゆでかに)

成分規格

腸炎ビブリオが陰性であること。

加工基準

加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。

加工に使用するかには、鮮度が良好なものでなければならないこと。

加工にあたっては、加熱時の温度むらを防ぎ、中心温度を70℃で1分間以上加熱すること。

かには、ゆでた後、速やかに飲用適な水で十分冷却するとともに、二次汚染防止措置を講じなければならないこと。

煮かに(ゆでかに)は、冷却後、清潔な洗浄しやすい不浸透性の容器に納めるか、もしくは同等の方法で原料等からの二次汚染防止措置を講じなければならないこと。

保存基準

煮かに(ゆでかに)は、10℃以下で保存しなければならないこと。ただし、冷凍煮かに(ゆでかに)にあっては、これを-15℃以下で保存しなければならないこと。

煮かに(ゆでかに)は、清潔で衛生的な容器包装で包装して保存しなければならないこと。ただし、店頭販売時において、二次汚染防止措置を講じている場合においては、この限りでないこと。

表示基準

そのまま食用に供するものであるかないかの別。

10℃以下で保存しなければならない旨。

 

■ゆでだこ

成分規格

腸炎ビブリオが陰性であること。

加工基準

加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。

 

■生食用かき

成分規格

製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。

加工基準

加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。

 

■冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類)

成分規格

製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。

加工基準

加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。

原料用鮮魚介類が凍結されたものである場合は、その解凍は、衛生的な場所で行うか、または清潔な水槽中で飲用適な水を用い、かつ十分に換水しながら行わなければならないこと。

原料用鮮魚介類は、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれがあるものを除去しなければならないこと。

 

関連リンク

腸炎ビブリオ」(pdf) 食品安全委員会