ウェルシュ菌食中毒防止のポイント | 食中毒 | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

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ウェルシュ菌食中毒防止のポイント

 

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加熱済みの食品は、殺菌されているから安全・安心という誤解が、ウェルシュ菌による食中毒発生の要因の一つです。

ウェルシュ菌食中毒の原因となった食品は、喫食の前日若しくは前日より以前に加熱調理されていることが多いのです。

一度に大量の食事を調理する学校や給食施設などで発生することから「給食病」の異名もあり、患者数の多い大規模食中毒事件に発展する特徴があります。

 

ウェルシュ菌(Clostridium perfringens) 

ウェルシュ菌は、ヒトや動物の大腸内常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌に広く分布します。

ボツリヌスと同様に酸素を嫌う嫌気性菌であり、健康な人の便からも検出されます。

保菌率は、食生活や生活環境によって異なり、年齢による差も認められ、青壮年よりも高齢者のほうが高い傾向があります(成人0.7%、幼児0.5%)。

家畜(牛、豚、ニワトリ)などの糞便や魚からも検出され、食品の汚染では、特に食肉(牛、豚、鶏肉など)が高いようです。

 

ウェルシュ菌は、熱に強い芽胞を作り高温でも死滅しないため、食品を大釜などで大量に加熱調理して他の共存細菌が死滅してもウェルシュ菌の芽胞は生き残ります。(芽胞が100℃4時間以上の加熱でも死滅しない菌もいます。)

加熱された食品の中心部は、無酸素の状態となり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい環境になることから、食品の温度が50℃~55℃以下になると発芽して急速に増殖を始めます。

そして、大量に増殖したウェルシュ菌は食品とともに胃を通過して小腸内で増殖し、菌が芽胞型に移行する際に産生されたエンテロトキシン(毒素)の作用で下痢などの症状が起こします。

そのため、黄色ブドウ球菌などのように食品中で産生した毒素により食中毒が起こる毒素型の食中毒とは違い、感染型の食中毒に分類されます。

 

国内のウエルシュ菌食中毒事件数は、年間20~40件程度ですが、1事件あたりの患者数は95名(2014年)で、他の細菌性食中毒に比べ大規模事例の多いのが特徴です。

食中毒の発生場所は、大量の食事を取り扱う学校・給食施設、仕出し弁当屋、旅館、飲食店等です。

主な原因食品には、カレー、シチュー、つけ麺用スープ、肉団子、チャーシュー、肉入り野菜の煮物などです。

 

最近では、食中毒とは異なる感染経路で発生するウェルシュ菌集団下痢症が報告されており、高齢者福祉施設で発生する事例が多く院内感染と認められた例もあります。

これらの事例では、症状は軽度の下痢、患者発生は持続的であり、食中毒と異なり、患者発生の鋭いピークが認められないのが特徴です。

潜伏時間は、約4時間から12時間。腹痛、下痢が主で、特に下腹部が張ることが多く、一般に症状は軽微です。

 

ウェルシュ菌食中毒の予防ポイント

 

前日の調理は避け、加熱調理したものはなるべく早く食べること。

 

 一度に大量の食品を加熱調理したときは、発育しやすい45℃前後の温度を長く保たないように注意すること。

 

やむをえず保管するときは、小分けしてから急速に冷却(15℃以下)し、必ず10℃以下なるよう冷蔵保管すること。

 

熱が伝わりにくいカレーやシチューを再加熱する場合、攪拌して中心部まで十分加熱すること。(毒素は100℃、10分以上加熱すると失活すると言われています。)

 

パーティやバイキングで使われる「湯煎」は、ウエルシュ菌に最適な温度になる場合がありますので、料理の継ぎ足しをしないこと、2時間以内ごとに再加熱することに注意しましょう。

 

使用する調理器具の洗浄消毒を徹底すること。