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ノロウイルス

 

ノロウイルス(Norovirus)とは

ノロウイルスは、ウイルスの中でも特に小さく、直径30~40nm(※)前後の球形をしています。

 

※1nm(ナノメートル)は、1m(メートル)の10億分の1。大腸菌(2~4μm)に比べ、100分の1程度(1μm(マイクロメートル)は、1mの100万分の1)。

 

少しのノロウイルスが口に入っただけでも、人の腸管内で増殖して消化器症状を起こすなど感染力が強いことが特徴です。

一度感染した人でも、繰り返し感染することがあり、人の腸管でしか増殖しないため、人工的に培養することができません。

特に食品のノロウイルスを検出することは難しく、食中毒時の感染経路などで未だに不明な点が多いウイルスです。

  

潜伏期間と症状

ノロウイルスに感染し発症するまでの潜伏期間は24~48時間程度です。

おう吐、吐き気、下痢、腹痛、発熱(一般的に37~38℃程度)などが主な症状です。

おう吐は、突然、抑えることができないほど急激に強く起こるのが特徴的です。

これらの症状は、1~2日程度継続してから治癒するとされています。後遺症としては残りませんが、乳幼児、高齢者、免疫不全など免疫力の弱い方では、脱水等が起こり重症化することがあります。

おう吐物が気管に入るなどの二次的な影響での死亡例も報告され注意が必要です。

症状が改善された後でも、1週間から1か月程度ウイルスをふん便中に排出する場合がありますし、感染していても発症しない人もいることから、手洗いを励行してください。

 

感染経路

主な感染経路は、下記のようなものがあります。

 

 食品からの感染(食中毒)

・感染した食品取扱者の手洗い不足等により、手指のウイルスによって食品が汚染され、その食品を食べて感染する。

・感染した人に由来するウイルスが蓄積した二枚貝などを、加熱不十分なまま食べて感染する。

 

人から人への感染

・患者のふん便やおう吐物に触れ、手指などについたウイルスが口から入って感染する。

・家庭や施設内などで、ノロウイルスを含んだ飛沫などが口から入って感染する。

 

原因食品

原因食品が特定された事例では、貝類(カキなどの二枚貝)の他に、弁当、刺身、寿司、サラダ、もち、菓子、サンドイッチ、パンなどがあります。

最近は、食品取扱者によって汚染された食品が原因となる事例が増えています。

 

ノロウイルスによる食中毒を防ぐには

 

しっかり加熱!

加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。

中心温度85~90℃で90秒間以上加熱することが必要です。

 

調理器具などを清潔に!

調理器具や調理台は、いつも清潔にしましょう。

まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗浄し、定期的に煮沸消毒若しくは次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭いて消毒するとより効果的です。

 

次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方

市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます。

例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。500mlペットボトルを用いて、フタに0.5杯入れ、水道水で500mlにすると約0.02%の消毒液が簡単に作れます。

なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。ノロウイルスには、アルコールや市販の酸素系の漂白剤は効果が期待できません。

塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認して、塩素系のものと酸素系のものを混ぜてはいけません。また、熱湯を使ってはいけません。

 

手洗いをしっかり!

特に、食事前とトイレの後、調理前後は必ず手を洗いましょう。

手洗いは、石けんで手首まで(30秒程度)よく洗浄し、すすぎは流水で十分にすること。2回繰り返すとより効果的です。

 

ノロウイルスに感染すると、嘔吐物や便には多量のウイルスが排出され周囲へ感染を拡大させてしまうため、その処置方法が非常に大切な作業となります。

特に嘔吐物は、床面1mの高さから吐くと最大2.3mあまり飛び散るというデータが示すとおり、想像するよりも遠方まで飛散します。

また、この処理が不完全であった場合、残ったウイルスがやがて乾燥してホコリなどと一緒に舞い上がり、さらに汚染を拡大することになります。

嘔吐物の処理をする際は、正しい処理(消毒)方法を熟知しておき、細心の注意のもとで作業を行わなければなりません。

 

嘔吐物の正しい処理方法

直ちに消毒できるように、普段から準備しておく。(使い捨て手袋、マスク、エプロン、拭取り用ペーパータオル、ビニール袋、次亜塩素酸ナトリウム、バケツなど)

汚染場所には、関係者以外が近づかないようにする。

処理を行う人は、自身が感染しないように手袋、マスク、エプロンを着用します。

嘔吐物は、ペーパータオル等で外側から内側に向けて静かにぬぐいます。

使用済みのペーパータオルは、直ちにビニール袋に入れ処分します。

嘔吐物が付着している床の周辺は、0.1%次亜塩素酸ナトリウムを浸み込ませたペーパータオルで覆います。

嘔吐物の処理後は、室内の換気を十分に行うこと。

使用した手袋、マスク、エプロン表面は、包み込むように裏返して脱いで処分します。

処理後は、しっかりと手洗いし、出来ればシャワーを浴びましょう。

嘔吐物の処理した後、調理や配膳に従事しないようにしましょう。

 

 嘔吐物用の0.1%消毒液の作り方

市販の次亜塩素酸ナトリウム原液(約6%)を500mlペットボトルのフタに2杯入れ、水道水で500mlにすると約0.1%の消毒液が作れます。

 

食中毒の発生状況

 

発生状況(2014年)

ノロウイルスによる食中毒の発生件数は、例年、事件数、患者数とも高い値で推移し、2014年は、事件数(293件)、患者数(10,506人)とも食中毒原因の中で第1位です。1件あたりの平均患者数が35名でした。

 

※2014年の食中毒事件数、患者数

・食中毒全体;事件数 976件 うちノロウイルス事件数 293件(33.3%)    

・患者数;19,355人 うちノロウイルス患者数 10,506人(54.3%)

 

 Q&A

 

ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎にかかるとどうなりますか。

 

ノロウイルスが口に入ると24~48時間以内におう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。

特に、おう吐は突然、抑えることが出来ないほど急激に強く起こるのが特徴的です。食品を介さない感染性胃腸炎の場合も症状は同じです。健康な方は1~2日間軽症で回復しますが、子供やお年寄りなどは重症化しやすく、また、吐物を誤って気道に詰まらせたりすることがあるので注意が必要です。

また、ノロウイルスに感染しても全く症状が出ない人(不顕性感染)もいますが、症状がなくても1週間から1か月程度ウイルスを排出しており、新たな感染源となることがあります。

 

ノロウイルスはどうして感染しやすいのですか。

 

ノロウイルスに感染した人の便や吐物には大量のノロウイルスが排出され、便や吐物を処理する際に、正しい処理を行わなければ、飛沫等で周辺が汚染され、時間が経過した後も、感染が広がります。また、ノロウイルスは、極めて少量でも感染しますので、感染者の手洗いが不十分だと手のしわなどにノロウイルスが残り、手指を介して食品を汚染し、食中毒の原因となることもあります。

患者は症状が治まってもしばらくの間ノロウイルスを排出し続けます。また、感染しても症状がでない不顕性感染者もおり、ノロウイルスに感染している自覚もなく、気づかないうちに食品や環境を汚染し、さらなる二次感染が起こりやすいことも問題となっています。

 

どのような食品が原因になるのでしょうか。

 

ノロウイルスは、食品から直接ウイルスを検出することが難しく、食中毒事例のうち、約7割で原因食品が特定できていません。また、ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されるケースも多いと考えられます。加熱調理後に、和える、まぶす、トッピングを行うなど、直接手で食品に触れる工程がある場合は、ノロウイルスに汚染される可能性が高くなるので箸や使い捨て手袋を用い、直接食品に触らないでください。

 

ノロウイルスによる食中毒を予防するためにはどうすればよいですか。

 

手洗いの徹底と食品の加熱、塩素等による消毒が重要です。下記を参考にしてください。

・食事の前やトイレの後などには、必ず石けんで手を洗う。

・加熱が必要な食品は中心部(中心温度85~90℃で90秒間以上)までしっかり加熱する。

・消毒する際は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くとよい。(次亜塩素酸ナトリウムは、取扱に注意を払う必要があるので、「使用上の注意」をよく確認の上使用してください。)

・熱湯消毒が可能な包丁、まな板、食器、ふきんなどは煮沸消毒するとよい。

・大量の調理をする施設の場合、下痢やおう吐などの症状がある従事者は、食品を直接取り扱う作業を行わない。

・患者は、症状が治まった後も1週間から1か月程度はウイルスを排泄するので、感染を拡大させないよう注意する。

 

※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方

市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる。)。なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。ノロウイルスには、アルコールや市販の酸素系の漂白剤は効果が期待できません。

塩素系漂白剤を使用する際は、「使用上の注意」をよく確認して、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わないようにしましょう。

 

ノロウイルスによる食中毒の原因はカキが多いといわれることがありますが、本当ですか。

 

ノロウイルスによる感染の原因は、人から人への感染と、食品を経由するもの(食中毒)があるのですが、ノロウイルスによる食中毒の中で、カキを含む二枚貝によるものは293件のうち8%(24件)にすぎません(2014年)。

市販されているカキは、生食用と加工用に分けて出荷されており、生食用は、基準を満たした海域で採取するとともに水揚げ後速やかに衛生的な水で十分洗浄するなど厳しい基準が定められています。

加工用と表示されているカキは、十分加熱してから食べることが必要です。

 

感染者が出たときの対処はどうすればよいですか。

 

マスク、使い捨て手袋をして、飛沫を吸い込まないように注意して、以下の処理を行ってください。なお、アルコールでの消毒は効果がありません。

・吐物があった場所は、ウイルスが飛び散らないように、次亜塩素酸ナトリウム溶液で濡らしたペーパータオル等で覆い、さらに同溶液をかけて消毒する。

・便や吐物は、ペーパータオル等を使い外側から内側に向かって拭き取る。

・使用したペーパータオル等は、ビニール袋等に密閉した上で捨てる。

・ドアノブやカーテンなどからもウイルスが検出されるので、広めに消毒する。

  

まとめ

ノロウイルスは、国内の原因別の食中毒患者数では第1位となっており、人から人へうつる感染性胃腸炎の原因でもあります。

冬季に発生が多いことから、特に注意が必要なウイルスです。

今年は昨年までのノロウイルスの主要流行株とは異なる遺伝子型のノロウイルスが検出され、国内外で流行を引き起こしていたことが確認されており、現段階ではその遺伝子型に対する免疫を持たない人が多いことが予測されるため、国立感染症研究所等から、大流行する可能性が指摘されています。 

ノロウイルス感染の予防のためには、食中毒や感染症予防の基本である手洗いの徹底をはじめ、食品の加熱、調理器具消毒などをしっかり行うことが大切です。

 

食品安全委員会e-マガジン【読み物版】 より

 

食品安全委員会;食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください

https://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html

厚生労働省;ノロウイルスに関するQ&A

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

厚生労働省;感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/

国立感染症研究所;新規遺伝子型ノロウイルスGII.P17-GII.17の流行

http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/778-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-news/5903-pr4273.html

国立感染症研究所・感染症疫学センター;ノロウイルス感染症

http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-a.html