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食品に関わる「単位」について

 

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食品に関する情報を見ていると、ひき肉〇〇g、カロリー〇kcal、果汁〇%、ヒ素〇ppmなど、様々な「単位」を目にすることがあります。

日常生活でなじみのある単位もあれば、あまりなじみのない単位もあります。

そこで、食品によく使われる「単位」についてご説明します。

 

単位の前に補助的に使う文字(単位接頭辞)

数値の大きさや小ささを表すためにg(グラム)やm(メートル)といった単位の前に、10の3乗(1,000)倍又は10の3乗分の一ごとに、補助的に以下のような文字を付けて表します。

これを「単位接頭辞」と言い、国際的にも共通して使用されています。

 

数値が大きくなる方向

 K(キロ):千倍 

 M(メガ):百万倍  

 G(ギガ):十億倍

 T(テラ):一兆倍

    P(ペタ) : 千兆倍

 

数値が小さくなる方向

 m(ミリ): 千分の一

 μ(マイクロ):百万分の一 

 n(ナノ):十億分の一

 p(ピコ):一兆分の一

    f(フェムト) : 千兆分の一

 

質量の単位

質量の基本的な単位はkg(キログラム)であり、基準となる国際キログラム原器(白金とイリジウムの合金)は、フランス・パリ近郊に保管されています。

質量を表す数値は、単位接頭辞を使って表現します。

 

質量の場合、kgとともにt(トン)が使われており、1,000 kgが1tです。

1,000tは1 kt(キロトン)、1,000ktは1 Mt(メガトン)、1,000 Mtは1 Gt(ギガトン)となります。

また、0.001kgは1gであり、0.001gは1mg(ミリグラム)、0.001mgは1μg(マイクログラム)であり、0.001μgは1ng(ナノグラム)となります。

このように、多くのゼロを使わなくてもよいようにk(キロ:千倍)や、M(メガ:百万倍)、G(ギガ:十億倍)や、m(ミリ:千分の一)、μ(マイクロ:百万分の一)、n(ナノ:十億分の一)といった単位接頭辞を使います。

 

小さな質量の単位であるmgやμgは、牛乳100gに含まれるカルシウムは110 mg、キュウリ100gに含まれるβカロテンは330μgなど、食品に含まれる栄養素などの量を表示する際に使われています。

 

国際キログラム原器の複製は、日本を含めて世界各地に配布されています。

定期校正のため、国際キログラム原器と複製を比較したところ、原器がわずかながら軽かったのですが、原因は今のところ不明です。

そのため、例えばケイ素の原子の数などもっと正確で安定な定義を採用することが検討されています。

 

体積の単位

体積の単位は、m3(立方メートル)でもよいのですが、通常よく使われるのはℓ(リットル)(1m3の1,000分の1)です。

その1,000倍がkℓ(キロリットル=1m3)、さらに、その1,000倍がMℓ(メガリットル)ですが、通常、1,000m3の方が使われています。

小さな単位は、ℓ((リットル)の1,000分の1がmℓ(ミリリットル)です。mℓをcc(シーシー)とも言います。なお、体積ではℓ(リットル)の10分の1のdℓ(デシリットル)、100分の1のcℓ(センチリットル)も使われます。

 

濃度(割合)の単位

通常使う濃度の単位は、%(パーセント)です。セントは百のことで、%は、百のうちいくつあるかということを表しています。

100gの塩水の中に1gの塩が入っていれば、塩の濃さは1%となります。

果汁40%と表示されている果実飲料は、全体の40%が果汁ということになります。

また、ppm、ppb、pptといった単位が使われることもあります。

ppmは、パーツ・パー・ミリオン(parts per million)の略で、ミリオンは百万のことで、100万のうちいくつあるかということを表し、1ppmは1mg/kgと同じです。

ppmの1,000分の1、つまり10億分の1がppb(ピーピービー)です。1ppbは1μg/kgと同じです。

ppbの1,000の1、つまり1兆分の1がppt(ピーピーティ)となります。

例えば、1t(=1,000kg)の塩水の中に1gの塩が入っていれば、その濃度が1ppm、1,000tの塩水の中に1gの塩が入っていれば、1ppbとなります。

野菜の残留農薬の基準は〇ppmなどと決められています。

 

濃度の単位

 ppm(ピーピーエム):100万分の1 <100万:million(ミリオン)>

 ppb(ピーピービー):10億分の1 <10億:billion(ビリオン)>

 ppt(ピーピーティ):1兆分の1 <1兆:trillion(トリオン)>

 

熱量(エネルギー量)の単位

食品の熱量の単位は一般的にcal(カロリー)です。1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量(エネルギー量)が1cal(カロリー)です。1,000calは1kcal(キロカロリー)です。

また、熱量の単位として、J(ジュール)があり、熱量以外で物を移動させるときのエネルギーなどの単位として使われており、1 kcalは約 4.2 kJに相当します。

 

食品の「単位」に関するQ&A

 

栄養成分は、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)など、複数の単位が使い分けられて表示されていますが、どうしてなのですか?

 

栄養成分によって含れる量が大きく異なることから、どの成分はどの単位で表示するのかが、栄養表示基準で決められています。

たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維などはg、カルシウム、鉄、ビタミンEなどはmg、ビタミンA、ビタミンDなどはμgで表示することになっています。

なお、一部のビタミンは、生体に対する効果を示す単位であるIU(インターナショナル・ユニット)が使われることがあります。ビタミンAの場合、1IUは、0.300μgに相当します。

 

食品のエネルギー量(熱量)や、含まれている栄養成分、塩分を計算することはできますか?

 

食品の袋や箱などに、エネルギー、たんぱく質、脂肪、ナトリウムなどの栄養成分が表示されていれば計算ができます。

ただし、注意しなければならないのは、それらの数値が、100g当たりなのか、1箱当たりなのかを確認して、実際に食べる量に換算することです。

例えば、ペットボトル(500ml)に、「エネルギー50kcal(100ml見当)」と表示されている場合、1本の熱量は250kcal(50kcal×500ml/100ml)となるので注意が必要です。

また、食品に含まれる食塩量(塩分)を計算したい場合には、表示されているナトリウムの量からおおよその食塩量を計算することができます。

ナトリウム(Na)の原子量は約23、食塩(塩化ナトリウム:NaCl)の分子量は約58.5ですから、食塩量はナトリウムの量のおよそ2.5倍となります。

「ナトリウムの量(mg)×2.5÷1,000=食塩(塩化ナトリウム)の量(g))」に当てはめると食塩量(g)が分かります。

 

農薬や動物用医薬品の残留が〇ppm(ピーピーエム)とよく聞きますが、ppmとは何ですか?

 

ppmは、濃度(割合)の単位で、「100万分の1(parts per million)」を表しています。%が「百分の一」ですので、1ppm=0.0001%となります。

1t(1,000kg)の塩水に1gの塩が含まれているときの濃度が1ppmです。例えば「みかんから農薬が3ppm検出された」というと、みかん1kgに農薬が3mg含まれていることを示します。

ppmは濃度(割合)なので、1g/1,000kgの単位の分母と分子を1,000で割って、mg/kgに置き換えることができることを覚えておくと、実際に食べる量に換算しやすくなります。

また、ppmは、消毒液の塩素濃度にも使われています。ノロウイルスについて、器具の消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムは、塩素濃度200ppmのものを使用しています。

  

「mg/kg体重/日」の単位は、ADI(一日摂取許容量)とTDI(耐容一日摂取量)の両方で使われていますが、両者の違いは何ですか?

 

ADI(一日摂取許容量)とは、食品添加物や農薬などのように、意図的に食品に使用される物質について、私たちが一生食べ続けても健康への悪影響がでないとされる一日当たりの摂取量のことです。

それに対して、意図的に使用していないにもかかわらず、食品中に存在する重金属やかび毒などの物質については、TDI(耐容一日摂取量)という用語が用いられています。

 

ARfD(急性参照用量)、TWI(耐容週間摂取量)の単位は何を使うのですか?

 

ARfD(急性参照用量)は、人がある物質を24時間又はそれより短い時間に経口摂取した場合に健康に悪影響を示さないと推定される一日当たりの摂取量であり、「mg/kg体重」を使います。

TWI(耐容週間摂取量)の単位は、「mg/kg体重/週」となります。

 

(参考)

食品安全委員会季刊誌「食品安全」特集(キッズボックス総集編)P10、P11

http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/tokusyuu/kidsbox_3.pdf