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ICP発光分光分析とは

 

ICP-AES  

ICP(Inductively Coupled Plasma)とは、「誘導結合プラズマ」を意味します。

色々な気体元素でICP を生成することができますが、アルゴンガスのICP を光源とする発光分析法がICP 発光分光分析法(ICP-Atomic Emission Spectrometry以下、ICP-AESという。)です。ICP-AES は今では金属類元素分析に必須の分析機器となり、固体試料も酸などで溶解して液体試料として分析が可能です。

 

基本原理

ネブライザーという「霧吹き」ような機構を使用してプラズマトーチ内に試料を噴霧し気化させて含まれている金属元素を原子化し励起状態とします。

原子は原子核と、原子核の周囲を固有軌道で運動している電子雲(軌道電子)とから成っています。この原子にエネルギーを与えると、軌道電子は、そのエネルギーを得て、定常状態からより高エネルギー準位(E2)の外軌道に遷移しますが、非常に不安定な状態なので10-7 ~ 10-8 秒程度で、低エネルギー準位(E1)の軌道へと基底状態へ戻ります。

このときに電子はエネルギー差ΔE の光子(スペクトル線)を放射します。

スペクトル線の周波数をνとするとΔE は次の式で表わされます。

ΔE = E2-E1 = hν = h・c/λ

h :プランクの定数 c : 光速度 v  : 周波数 λ : 波長

 

放出された元素固有の光の波長とその強度を測定して、試料中の元素の定性・定量分析を行うものです。

 

プラズマとは?

argon-plazuma  

原子をプラズマ化して励起状態とするために、プラズマトーチを用いますが、その構造は三重の石英管構造を持ち、外側から順番にプラズマガス(冷却ガス)、補助ガスおよびキャリアガス(及び試料)を流しています。

プラズマトーチ周囲には、高周波誘導コイルが配置されており、27.12MHz(もしくは40.68MHz)の高周波電流を印加しています。

高周波誘導コイルを中心に変動磁場が形成され、プラズマトーチ内には高周波の電磁場が生成して電磁誘導作用によって、高周波磁場の時間変化に比例した電場が発生しています。

プラズマトーチにアルゴンガスを流した状態で、高周波誘導コイルに高電圧を印加されると放電現象が発生し、この放電により生成した電子やアルゴンイオンは、この電場によって加速され、高速で電場内を運動します。

即ち、アルゴンガスに高電圧を印加してプラズマ化し、さらに高周波数の変動磁場によってそのプラズマ内部に渦電流によるジュール熱を発生させることによって超高温のプラズマとなります。

単位時間当りの自由電子の発生量が消失量よりも上回ると電子密度が急激に増加し、プラズマトーチの開放端でプラズマが生成します。

プラズマと自由電子はクーロン力ですぐに再結合してしまうのですが、アルゴンは一定流量で高周波磁場を通過し電子やイオンはプラズマ外へ散逸していることから、アルゴンの電離による自由電子やイオン化原子の生成と消滅が平衡状態となりプラズマが安定的に維持されることとなります。

稼働時の高周波コイルには、0.6 ~ 1.4 kW 程度の電力が流され、プラズマの温度は約10,000 K(ケルビン) にも達します。

 

装置構成

ICP発光分光分析計は、励起部、試料導入部、発光部、分光部、測光部及びデータ処理部で構成されます。

励起部は、発光部に高周波電力を供給・制御するための高周波電源、制御回路及びガス供給部からなります。

試料導入部は、試料溶液をプラズマトーチ部に導入する部分であり、試料溶液を霧化するネブライザー及び噴霧室(スプレーチャンバー)などから構成されます。

発光部は、試料溶液中の元素を原子化・励起・発光させるための部分であり、トーチ及び高周波誘導コイルなどからなります。

分光部、発光部から放射された光をスペクトル線に分離するための部分で、集光系及び回折格子などの光学素子からなります。

分光器には、波長走査形分光器(モノクロメーター)と波長固定型の同時測定形分光器(ポリクロメーター)があります。

測光部は、入射した光をその強度に応じた電気信号に変換する部分であり検出器及び信号処理系からなります。

検出器は、光電子増倍管又は半導体検出器が用いられます。 データ処理部は、データ処理を行い検量線及び測定結果などを表示します。